【裏社会】MDMAとガーミンと道端
1. 道端ジェシカ x MDMAの歴史
2023年3月、年度末。WBCに熱狂する中、道端ジェシカxMDMAという強烈な見出しがニュースに走った。別に驚くようなキーワードではないが、すぐに沢尻エリカや片瀬那奈、あの辺りのイメージ画像がフラッシュバックしてしまう。そして、最終的には押尾学だ。
近代史で語るなら日本のMDMAの印象は全て押尾学を元に構築されてきたと言っても良いだろう。
その後、ニュースで一斉に報じられ、泳がし捜査の実態が日本国民に明らかになり、世の中には「こんな捜査方法もあるんだぞ」という警察からの突然の圧力アピール。
実際、道端ジェシカのニュースはカンボジア詐欺グループ摘発なんかよりも、扱いやインパクトが強かった。本物のYakuzaは裏で「きちんと」警察と繋がっていて、なるべく大きなニュースにならないようにメディア操作力に長けているだけなのかもしれないと邪推をしてしまう。
2. GPS大手ガーミン社の息子
薬物の乱用は結果として命を奪ってしまう事が問題であるのだが、あの時点で嫌疑であったであろう道端ジェシカをほぼ黒と決めつけたかのような報道だったのが気になっていた。案の定結果は嫌疑不十分であったが、その事実婚夫である台湾系アメリカ人のケン・カオが警視庁に再逮捕される結果となった。
ケン・カオとは2019年に共同創業者(Co-Founder)であったパートナーGarの文字の由来であるGary Burellが他界し、事実上の創業一族トップとなったミン・カオのGPS会社であるガーミン社の息子である。
Wikipediaによると創業一族の息子であり姉にはファッションデザイナーのジェン・カオ氏がいる。
映画のプロデューサーとはいえ親の力の気配がビシバシ感じられるケン・カオ(日本の報道ではケネス、恐らくスペルはKenneth?)である。世界の GPSを管理するガーミン社。泳がし捜査までさせて、ガーミン社の息子を摘発して、国家としての日本とGPS会社ガーミンとの関係はどのようになるのだろうか?
もしかして日本はものすごいジョーカーを引いてしまったのではなかろうか。
3. MDMA他ケミカルドラッグ、世界の取組み
ところで、MDMAのようなケミカルドラッグと呼ばれる類いの薬物の使用自体が違法ではなくなってきている国や地域が出来ているという事は事実でもある。
MDMAやエクスタシーと呼ばれるケミカルドラッグは他の薬物との併用やアルコールとの併用によりショックを起こすことがあり命の危険性がある。
アルコールと同様に中毒や依存症になり命を落とす可能性がある薬物や辞めたくても辞められない人もおり、これは「怠け」でも何でもなく「病的なもの」として区別されている。シンプルに「逮捕」が必要なのではなく「治療」が必要なのだ。
「逮捕」をして「排除」をすれば、自分達の目には見えなくなるが、存在自体は消えるわけではない。目に見える部分だけ綺麗にしたつもりになって、その後に何が待っているのだろうか?
あえて社会の問題として受け入れる事によって「救済」の手を差し伸べる必要があるという事を国民が認識する事。現実を見ないフリをして目の前の問題として受け入れる事。それに対してどのように対処すべきか、どのようなリアクションを起こしたいと思うのか?
これが社会を構成する大多数、又は過半数以上の国民や州に住む人々が同意をして試験的プロジェクトを進めている。いち早く大麻を合法化した事で知られているカナダ西海岸のブリティッシュコロンビア州はほとんどのケミカルドラッグ、主にクラックと呼ばれるヘロイン、覚醒剤、MDMAやLSD等のハードドラッグを2023年1月31日〜2026年1月31日までの3年間「非犯罪化」にするという事にした。
逮捕するのではなく、全員病院送りであるという方針だ。しかしそんな事を言っても、実際、病院や人件費高騰、人手不足が続いている今、どこまで実現できるのかは眉唾ものでもある。
メキシコは2009年の夏から遙か昔から非犯罪化とされている。他、LSDやマジックマッシュルームなどは医療目的での研究が一気に進んでおり、大麻合法化で広がったグリーンラッシュの後のマッシュルームラッシュ(シロシビン)の可能性もあると噂されている。
4.デパス系の眠剤ならいいのか?
繰り返しになるが「逮捕」するのではなく「治療」するという方向へ舵を切った国や地域が向き合う問題は何なのだろうか。実際、うつ病などの病を抱える人に与えられる種類のありとあらゆるデパス系薬を過剰摂取して命を失ってしまう人や廃人同然となってしまう不孝なケースがどれくらいある存在する事か?単に向精神薬や睡眠薬、精神安定剤を処方すれば良いだけではないのが今の医療の見解である。
薬の力で一時の苦しみを排除しても原因や存在自体が消えるわけではないのだ。
結局、点数を稼がなければ商売にならない日本の病院モデルの問題でもあるが、オーストラリアだってカナダだって、実際こういった負の連鎖にも見える現状に耐えられず西洋医学の世界から去ってしまう人も少なくない。
違法であれば良くて、合法だから悪いと思い込むのではなく自分の道徳や経験、知識を持ってして善と悪を定める事を強く求められるのが海外の社会だ。
「違法ではない」というわけであって、「合法だから使用しても良い」と考えるのは安直過ぎる。日本では合法なデパスや一部のベンゾジアゼピン系は海外では違法であったり処方されない国もあったりする。医者が処方したから、国が決めたから、必ずしもそれが体に良いと考えるのか?
日本の社会では自分で考えるという事が極端に減る。ネットやWikipedia、NoteやSNSをそのまま信じるのではなく、自分で考える力。きらびやかな光の世界だけでなく、裏のアンダーグラウンドなストリートの世界、現実の汚い世界。その為にはやはり日本でじっとしているわけにはいかない。
移動すればする程、旅すればする程、インスピレーションやアイデアが磨かれるのはこうやって視点や感覚を刺激されるからなのだろう。
20代、30代、40代からでも遅くない。外に出て長く滞在する、住むように旅するスタイル、アナザートラベル。カナダのCoop留学やワーキングホリデー制度など上手に活用しよう。