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記録・死産|産休と、復職と、

死産の記録を残しておく。
私が誰かに救われたように、
誰かが救われますように。




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産後1週間:未来の後片付けと

分娩予定だったクリニックに行って、予約金の返金をした。幸せな待合室で、我が子がお腹にいない私は、返金を待っていた。助産師さんには急がなくていい、夫に行ってもらえばいいと言われていたけれど、やらなければいけないことは早く済ませたかった。待合室では泣かないように気を付けた。

ベビー用品は特に買っていなかったけれど、自治体からもらったいろいろや、分娩予定だったクリニックでもらったいろいろを処分した。未来の後片付けは、つらい作業だった。だけどこれも、しなければいけないことのひとつ。そういうことは早めに取り組んでおきたかった。

泣きながら、分別して処分した。



産後1か月:少しずつ遠くへ、活動的に

ペーパードライバー講習に行ったり、税務署に行ったり、ずっと解約したかった地方銀行の支店に行ったり、棚上げにされていたあれこれに取り組んだ。やるべきこととして、to doがあれば生きていけると思っていた。ひとつずつ消化していくことで、生きていける自分を確認していた。

また、スポーツ観戦や観劇などのチケットをアプリで探して、興味が出たものは見に行った。仕事の連絡は一切見ないようにして、やりたいって思ったことをやった。活動の内容が、やるべきこと、やった方が望ましいことから、やりたいこと、やってみたいことへ転換していった。

死産児に向けた衣服の作成をするボランティアをしたかった。さまざまなところに連絡を取り、いいご縁をいただくことができた。連絡をする中で、自分はまだ死産から日が浅いのだと、他者の反応から気づかされる。

気持ちが置いてけぼりで飛ばしすぎているんじゃないかと、不安にもなった。実際、死産1か月を過ぎたころ、頑張ること、行動することに心が疲れていた。夫に弱音を吐いたのち、結局、行動することを続けている。過剰適応なんじゃないかとも思った。でも、思っただけ。



産後2か月:復職と次の妊娠に向けて

産休も半分を過ぎ、1か月後の復職が気になり始めた。仕事の連絡を久しぶりに一部だけ見てみるなど、自分の心の反応を探りながら、仕事という刺激に心を慣らしていくことにした。

仕事の関係の知り合いのうち、今の職場に今現在、直接関係がない人と会うなど、外堀から攻めていくことにした。過去を思う不安よりも、未来に対する不安、それも妊娠ではなく復職への不安がかなり大きくなった。

産婦人科の通院でその旨を相談し、念のため、精神科を受診することになった。復職後に何かあったときのための保険である。が、医者の見立てでも、私の感覚としても、たぶん大丈夫。

そして、出産から1か月半で生理がきた。生理が1回きたら不妊治療を再開してもよいと言われていたため、不妊治療のクリニックを予約した。その時点で生理から1週間は経過していたため、次の生理周期から移植に向けて治療を再開することになった。

不妊治療のクリニックには死産の報告を済ませていたため、非常にスムーズな診察となった。医者は気を遣いながら、死産届を提出すれば保険適用回数がリセットされることを説明してくれた。ここでも、自分はまだ死産から日が浅いのだと、他者の反応から気づかされる。他者は気を遣ってくれているのに、自分は自分を気にかけてあげられているのかなあ、なんて思った。

もし次の移植で妊娠したら、予定日は死産した日と近くなる。
我が子に見守られながら、次の出産が迎えられたら嬉しい。



復職直前:復職への不安と、復職に向けて

復職は年明けからだった。不安なままに年末年始を過ごしたくなかったので、年末の人が少ない時期に職場に行き、管理職と話をした。

自分の心身のモニタリングのためであり、これといった必然性はない。管理職のほかに、信頼している人とも会った。職場に行くことは事前に伝えていて、スイーツを買って待ってくれていた。

死産の話、我が子の話もした。職場のようすも聞いた。

職場への足取りは重かったし、そわそわした。
それでも行ってよかったと思っている。そんなふうな気持ちを復職初日に感じるのではなく、事前に知っておくことで、心の準備ができる。

1月から3月は積極的に休もうと、仕事は気にしなくていいと、言ってもらえた。決して余裕のある職場ではないことは私もわかっている。それでもそういう声をかけてくれる人がいることに、感謝した。

私は、12月いっぱいまで特別休暇ということになっている。
職場でもそのように周知されている。1月から産休の予定だったから、12月いっぱいは病休、1月からは産休だと思っている人もいるだろう。

復職直前になって思うのは、1月から復帰予定であることを管理職から関係がある人にだけは伝えてもらえばよかったと思うことである。復職後「あれ、なんでいるの?」と思われたら嫌だなあと思うし、そのときになんて説明すればいいんだろうと思う。




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ということで、復職までのこと。
復職後のことは、また別の記事にしたい。



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