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【商工中金×アナザー・ジャパン商品開発プロジェクト】山梨の金属加工を活かした技術で、日本初のステンレスの枡を開発?!

みなさんこんにちは、2期セトラー、チュウブ展担当の工藤です!
今回から3回に分けて商工中金×アナザージャパンの商品開発プロジェクトの中で生まれた、チュウブのメーカーさんたちとのコラボ商品誕生秘話をお話しさせていただきます。
チュウブの商品開発の事業者さまはOEMやtoB向けの商品が基本となっている事業者さまで、お互い初めてのことばかりでしたが、試行錯誤しながらプロジェクトを進めてきました。


商工中金×アナザー・ジャパン共同商品開発プロジェクトとは?

今回の商品開発は、アナザー・ジャパンのサポーター企業である株式会社商工組合中央金庫(以下、商工中金)との共同プロジェクトとして進めてきました。
「アナザー・ジャパンとの出会いをきっかけに、新しい挑戦に踏み出す地方の中小企業を増やしたい」という想いから始動した本プロジェクト。商工中金がクライアントから商品開発に挑戦したい企業を募り、中川政七商店が商品開発講座を提供することで、商品開発に向けた準備を行いました。

2023年10月から11月にかけて行われた全3回の講座を経て、チュウゴクシコクエリアから1社、チュウブエリアから3社、計4社の地域メーカーがそれぞれセトラーとタッグを組み、商品開発に取り組んでいます。

中国四国エリアでの商品開発秘話はこちらから読めます!👀

藤精機さんはどんな会社?

今回私が共同商品開発に取り組んだ藤精機株式会社は、精密加工から大型重量物、試作対応から量産製品などあらゆるニーズを、長年にわたり積み重ねた総合精密金属加工技術で提供します。通常はお客さんの図面に基づいて作るBtoBでのお取引がメインの会社です。

FUJI MASUってどういう商品?

今回のtoCの商品開発は藤精機さんにとっても初の試みで、藤精機さんの持つ金属加工技術を生かした商品づくりに取り組んできました。
試行錯誤の末生まれた「FUJI MASU」を、まずは皆さんに紹介します。

①日本初のステンレスの枡!!※アナザー・ジャパン調べ
直火OKなキャンプグッズにも変身!
スタッキングOKで、色々なところに持ち運びが可能!
底面に名前や数字を入れられる!※対応は1ヶ月ほどお時間をいただきます

実際に私の名前を入れてもらったプロトタイプ!

そして、FUJI MASUという名前には以下の由来があります。
富士形をしていて、富士山の麓で使って欲しいという願い
②商品開発担当者が工藤、藤精機さんの代表の新さんが開発
不二、二つとない自分だけの枡にしてほしいという願い

3つの「ふじ」の思いが込められています!


商品の販売開始は、チュウブ展開始と同時の6月5日を予定しております!

藤精機さん×工藤で語る商品開発の裏側

ここからは、藤精機株式会社の新藤さんと2期生の工藤が語る、商品開発の裏側をお届けしていきます!FUJI MASUができるまでのストーリーをお楽しみください。(インタビュアー:1期生山口)

ー今回のプロジェクトに参加しようと思ったきっかけ
藤精機株式会社代表取締役 新藤さん(以下、新藤さん):商工中金さんのお声がけというのが最初のきっかけです。元々弊社はto B向けのものづくりばかりで店頭で売るようなものはこれまで作ったことがなかったので、商品開発、モノを売るというところの勉強と、将来的にお客様向けの自社製品を世の中に出していきたいという想いがあり、参加をさせていただきました。

工藤:私はアナザー・ジャパン以外の仕事として金属の革細工用の工具を販売していて、他のセトラーよりも金属製品への愛や馴染みがあったので、商品開発にぜひ携わりたいと思って、参画しました。

ー社内でも初の試みということで、不安はなかったですか?

新藤さん:不安というか・・うちみたいな金属加工の会社が店頭に並ぶようなものをつくって売れるんだろうかという心配はありました。去年2023年の11/26に東京ではじめて皆さんの前で発表しましたが、今までしてこなかったような、アイデアを形にしていく過程が面白かったなと思っています。ただ、面白いだけでなく仕事に活かしていかないといけないという思いはありました。

ー講座を経て工藤とタッグ。学生との協業は初めてですか?

新藤さん:IR資料の冊子をつくったりなどの取り組みは県内の学生さんとありました。インスタで動画で会社紹介をしてもらったり。しかし仕事は初めてで、ものづくりまでは全くないです。

山梨でお会いした際の工藤からの提案の様子。

ー互いの協業で印象に残っていること

新藤さん:とても新鮮でした。工藤さんには迷惑をかけて申し訳なかったですけど、自分たちの発想が凝り固まっているので、その発想とかアイデアという側面で工藤さんがいろいろと提案をしてくださって嬉しかったです。進める中でいろいろ議論もしますけど、完成近くまできたら、最終的に面白いものができたと思います。
販売を始めないとわからないですが、キャンプ用品というと誰かの紹介で火が付いたりもするので、うまくアピールできて売れたらいいなとは思っています。ここにたどり着けるのもこのプロジェクトと工藤さんのセトラーとしての導きがあったと思うので感謝しています。

ー特に柔軟だなと思ったアイデアはどんなものでしたか?

新藤さん:最初はキャンプで使えるワイン桝で進めていましたが、もっといろんなことに使えるものにしようと提案してくださって、それが面白いなと思いましたね。去年の11月の発表の時に、自分がかつてキャンプもよくしていたのでそういうのがあればいいかなとお話したんですけど、当時はジャストアイデアだったものを上手くふくらましてくれたのが工藤さんだなと思います。

工藤:私は仕事の基礎を教えていただいたと思います。印象的だったのは、普段to BでOEMをされていらっしゃるからこそ、商品に関する納期や出来上がるまでのスピード感が本当にピカイチというか。
全部丁寧で早くて正確で、本当に今まで日本のものづくりを支えてこられたんだなと。
他には、金属への愛が本当にすごくて、聞いたら何でもわかることだったりとか。私も鉄やステンレスや金属について勉強してみてはいるんですけど、まだまだ足りないところばかりで、どの素材を使ったらいいかなど何もお役に立てなかったので、本当に勉強になりました。

新藤さん:工藤さん大変だったと思いますよ。うちも無理言って申し訳なかった。でもそうやっていいものは生まれていると思います。

新藤さんから金属加工の技術を教えていただきました!

ー大変なこともあったという事ですが、どんなことがありましたか?

新藤さん:コンセプト決めるのが一番大変でしたね。いろんなアイデアを出して、少しでも可能性があるものをいろいろと検証していきました。これまではお客さんからの仕様でつくることが多くて商品のコンセプトは決めたことがなく、かつそれを会社以外の人と進めるのは緊張感もあって良かったと思います。その過程が大変でもあり楽しくもあったのかなと。

プロトタイプを3回以上回しました。試行錯誤の結果、より美しい形、持ちやすい形を追及していきました。左から右に新しくなっています。

ー最後に、今回の商品に込めたこだわりを教えてください

新藤さん:世の中にすでにあるものとは少し違うものができました。
ネットで調べてみてもステンレスの桝というのはなぜかなくて。
大体、いいアイデアを思い付いたと思ってもネット検索すると出てきちゃうことってあると思うんですけど、意外と桝はなくて、自画自賛ですけど良いアイデアだったなと思っています。
かつ、使いこんで味が出るというのがこの製品の良いところかなと思ってます。つまり、ぴかぴかのきれいなものというのは世の中多くありますが、
FUJI MASUは傷ができたりへこんだりあるいは自分で何か手を加えたりして、自分の物に育てていくような、そういう商品として使ってくれたらなと思います。へこんでも何しても壊れないので、それが味や思い出となって長く愛されるものになったら嬉しいです。

ー技術を生かすという点でこだわった点はありますか?

工藤:大きく2つあると思います!
1つ目は、このカーブをきれいに曲げる技術。2つ目は、1つ1つ溶接をして作るのですが、溶接痕がほぼ見えないことです。ここまで溶接痕なくすのってすごい難しいってことで、丁寧に磨いていかないとここまで溶接痕をなくすのって難しいんですよ。
溶接痕もそれぞれ風合いが違うので、それも一つ楽しみにしてもらえたらと思っています。

ーおすすめの使い方はありますか?
工藤:傷がついても他の金属だったら錆びてしまいますが、
ステンレスだったら錆びずに加工ができるので、例えばDIYで富士山の雪のところをやすりがけして自分だけの富士山の形をつくるというのもご提案したいです!

やすりがけの様子!
DIYの結果できたFUJI MASU!詳しい方法はぜひ店舗にて👀

工藤:自分好みの使い方だったり、形や色にできるのがこれまでにない新しさだなと思います。私も試行錯誤の中で、花を入れてみたりポップコーン入れてみたりとか、自分だけの使い方を考えていました。私が福井に出張に行ったときにお箸が焚き木になる商品があり、それを購入したときFUJI MASUと併せて直火にかけても良さそうと思い直火にかけたら、製品が強いのでびくともしなくて、すすが付くんですけどついたすすもかっこよくて。直火にかけられるキャンプ製品としての使い方も提案出来ると思いました。

新藤さん:うちはゼリーをこれで作って冷やして。容器も一緒に冷えるのでそれはなんか毎日のように食べてます。涼しげでいいですよ。

工藤:アナザー・ジャパンの店舗入れ替えの時に、みんなにこの商品でコーヒーやお茶を飲んでもらったりとか、家で焚火したりとか。私も藤精機さんもたくさん試した商品になってます。それと、アナザー・ジャパンでも名入れ商品ははじめての試みで、使い込んで自分のものにするというのと、名入れというのが相性もいいですよね。

新藤さん:つまり買ったときはまだ完成形じゃなくて未完成だと思うんですよね。自分で加工したり変えたり傷がついたりそれで、自分のものになってくというのがこの製品の良いところかなと思いますね。決してキレイに飾っておくようなものではないという事ですね。

山口:使うたびに愛着が湧いたり自分らしい形になるのが素敵ですね!

ー最後に、今後の販売の展望を教えてください

新藤さん:まさに学生さんたちの感性で製品をアピールしていただいて販売していただけたらなと思います。どうしても我々製造業だとプロダクトアウトになってしまって、いいものだから売れる「はず」だとか、「はず」だが入ってしまうんですね。
マーケットインでお客様が望んでいるものをうまく掘り出すというか、どこをアピールするかちょっとしたことで変わってくると思うので、そのような点は学生さんたちにいろいろなアイデアを出していただいて売っていただけたらなと思います。

工藤:AJ以外の今後があるのであれば、山梨のキャンプ場で当たり前に販売されたら嬉しいなと思います。

新藤さん:いまの商品だと、熱いものを飲むと結構熱くなりますよね。取っ手がないのがデザイン的にいいところだと思うので、オプション的に熱くなく持てる取っ手をつくったりしてもいいかもしれないですね

山口:いいですね!地域で愛される商品になったら素敵ですよね!

最後に

本当に販売までドキドキすることばかりですが、たくさんの時間をかけて取り組んだ色々な人の愛のこもった商品になっています。

多くの方に手に取っていただけたら嬉しいです!
アナザー・ジャパンを応援したいと思った方、『FUJI MASU』を使いたい!アナザー・チュウブに行ってみたい!と思った方、ぜひこちらのnote記事をTwitter、Instagram、Facebookなどでシェアしていただけると嬉しいです🗻

店頭にて皆様にお会いできることを楽しみにしております!
ここまで読んでくださった皆さん本当にありがとうございます!

ぜひ一度店頭でご覧ください!!

オンラインショップはこちらから!



今回のライター:Mio Kudo


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