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軽アウター論

何かと異常気象が騒がれる昨今ではありますが、時季が来ればしっかり朝晩は涼しくなってくるもの。
日中の温度はまだまだ高い日が続きそうでが、もうひと月もすれば夜は肌寒ささえ感じる頃でしょう。

若いバイヤー時代にいつも思っていたことがある。
なぜ、薄手のナイロンアウターは需要が少ないのだろう?と。
これだけ四季がはっきりしているのであればもっと重宝されていいはず。

多分、その答えは着る側の「すぐ暑くなるから(春)、すぐ寒くなるから(秋)」ということなのでしょう。もちろん、近年に至っては夏と冬の二季みたいになってきているということなので尚更なのでしょう。

当時は職業柄なのか、周りが今何を身につけているかをよく見ていました。
昔は今とは違いトレンドの意識がかなり強い時代でしたから、この軽いアウターも次のシーズン着ないかも知れないという風潮がかなりあったのも事実で、更に着る機会が少ないからという思考になっていたのだと思います。

そうなるとお店側も仕入を少なく、その先のブランドは作るのを少なく…と悪循環にもなる訳です。
わたしからしたら、マイナス何十度まで耐えられる極厚ダウンの方がもっと無駄な気がするのだけど、若かった頃のわたしも確かに…。

肌寒さや風、小雨程度を防ぐのはやはりナイロン素材、多少の撥水性があればそれで十分です。
トレンドなんて気にする必要もなく、自分にしっくりくるものが良い。

もっと軽いナイロンアウターを意識し過ぎず、意識したらどうだろうか。

何に合わせたら良いとかは考えなくていい。
逆にスタイルを気にし過ぎない方が、かえって洒落た感じがするものだ。
気の向くまま…、自分のスタイルができている人なら、どんなデザインどんな色をどんなものに合わせてもきっとそれなりにおさまってくれる。
このそれなり感が「さりげない」ということなんだと思う。


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