なぜその色なのか
洋服をデザインする者として、「なんとなく…」という曖昧な表現は通用しない。細かなディテールの「なぜ」にもしっかりと答えをもっていなくてはいけないのです。
洋服のデザインって独りよがりな部分があってこそだと思っているし、それがこだわりであり、メッセージなのだと思う。
格好つけた表現ですが、そんなメッセージがブランド全体の魅力をつくりあげているのだ。
わたしのようなブランドは尚のこと、そこがあっての存在価値な訳です。
ただ、普遍的な中にブランドらしさを埋め込んでいくのもそう容易なことではありません。
たとえば、another 20th centuryの中にシャンブレーにグリーンステッチという仕様があります。
「ステッチやボタンホールの色を赤とか配色にするってよくありますよね」と言われてしまうのはあまりにも残念でならない。
もちろん、そこにもこの色という意味というかイメージがあるのです。
このグリーンステッチを見てHERCULESやKEYを連想される人はどれだけいるでしょうか。
もちろん、レプリカではありません。
実際それらにグリーンステッチが使われていなくても、使われていたんじゃないかと想像させることがanother 20th centuryらしさでもあるのです。
単純な生地と糸の相性ではなく、わたくし自身の考える親和性にどれだけ共感いただけるか。
そういった意味では「なんか良いですね」が一番嬉しい言葉かもしれない。
今回新たに定番のwaltersにこの仕様をのせてみました。
ストーリーを超えたこんな試みも楽しんで頂ければ嬉しい。
もちろん、1カラー展開になります。
奇をてらうのではなく、さりげなく魅せることを心がける。
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