蛇行する光
・オリジナルの曲をレコーディングしてきた。
我々はMaggy Inkcup、魔法のインク瓶。
スタジオは西荻窪Akseliさん。とてもいい仕上がりだ。また利用させていただきたい。
melty flightは月姫をモチーフに書いた。無邪気に笑う月の花。ファニーヴァンプに優しい夢を。
・薬を飲まないことを得意げに話す老人は、救いようがない。「私ね、薬全然飲まないのよ!」じゃあないんだよ。飲んだ方がいいぞ。
・「原因がある」と「悪い」を混同する人。
典型的なのは、いじめ問題。
【いじめられる側にも原因はあるが、いじめる側が100%悪い】というのが結論だと思うのだが、これを言うと、「いじめられる側は悪くないだろ!!」という怒りの声が飛んでくる。いや、そう言ってるじゃないですか…。事実として、どこの集団でもいじめられやすい人というのは存在するのだから、何かしらの要因はあるのだろう。この齟齬が生じるのは、原因=弱さであり、弱い=悪い、という意識が人々の根底に根ざしているからではないだろうか。
・あえて詳細をぼかすが、技術的に下手なのに、失敗してキレるという気持ちが分からん。キレるのって上手い人の特権だろう。下手なんだから、そら上手くいくわけない。無表情で試行を繰り返せ。上手くなるまで感情を挟むな。
・夏曲を夏油に空目する。
・「悪貨は良貨を駆逐する」「真っ赤なローファーちくちくする」
・漫画喫茶は魂のセーブポイント。パソコンと漫画とドリンクバーという、人生に必要な最小限が揃っている。言うなれば無駄を削ぎ落とした自室。俺の固有結界だ。
・隅田川花火大会。実家が隅田川沿いなので、子供の頃からほぼ毎年見ている。昔は家の屋上から見えたが、徐々に増えるビルにより遮られ、ついには全て隠れるようになってしまった。親戚で集まって焼き鳥を食べながら花火を見る、そんな夏はもう来ない。
それはそうと、花火大会は素直に心躍る。原始の感動だ。轟音と炎色。破裂の瞬間はもちろん、花火玉が打ち上がる軌道も美しい。ヒュルルル、と蛇行しながら夜空に走る光の筋。思わず息を呑む。
・花火大会に来ている地元のヤンキーカップルからしか得られない栄養がある。男が細身、女がプリンならなお良い。お前らがこの町を支えていくんだ。
・花火には目もくれず、自転車を漕ぐおばさん。ライブのセキュリティみたいな凄みがある。
・マカロンって美味しい気がしてきた。最初に食べたマカロンが、カサカサのメレンゲタイプだったので、所詮は砂糖菓子と軽んじていた。しかし、去年あたりに、しっとりして中身が詰まっているタイプを口にし、考えが変わった。マカロンって美味しい可能性を秘めている。それ以来、各店舗のマカロンを少量買っては試している。今のところ、ローソンの冷凍マカロンが実はポテンシャル高いのではと睨んでいる。
・新しい紙幣を手にする機会が増えてきた。その辺のゲーセンとかダーツバーとかのお釣りでも普通に貰える。新紙幣を手にして喜ぶ、というノリは楽しいのでもう少しだけ続けさせてほしい。
・タピオカにまだ納得できていない。あれ、何? 何故あんなに流行った? パフェに入れるならまだ分かるが、太いストローで塊ごと吸うのは絶対違う。口腔機能訓練か?
・よく通っている道。そこに面した民家の脇、普段は閉ざされているトタンの扉が、偶然開いていた。中はさながらうなぎの寝所で、自転車や古びた水槽、洗濯機などが置かれていた。なんてことない物置だ。しかし、えも言われぬ高揚感があった。この街に20年以上住んで、まだ開いていないドアがたくさんあるのだ。
・昆虫標本の作り方。〆るのは酢酸エチルがいい。百均で売っているノンアセトンエナメルリムーバーを用いる。タッパーなどの容器に、酢酸エチルを染み込ませたティッシュと昆虫を一緒に入れる。すると、ものの30分もすれば〆られる。蘇生すると厄介なので、念の為1時間は入れておく。
翅のある昆虫は、市販の展翅板を用いて展翅を行う。特に蝶や蛾は、鱗粉が剥がれないように、細心の注意を払う。決して指では翅に触れず、グラシンペーパーで摘むようにする。針で翅脈を引っ掛けて形成する手法もある、というかそっちが主流だとは思うが、ミスると翅に穴が空くので怖い。
グラシンペーパーとまち針で展翅を行った後、展翅板ごとタッパーに入れ、乾燥剤を敷き詰め、密閉し、冷蔵庫に入れる。冷蔵庫の中は低温で乾燥しており、標本の固定に適した環境だ。そして1.2ヶ月ほど経過したら、結露しないように温度を合わせてから標本を取り出し、標本箱に移す。標本箱は、結局ドイツ箱がいい。密閉度が違う。
今後の課題として、腹の中身が詰まっている昆虫を標本にしたい。腹を裂いて、中に脱脂綿などを詰める必要がありそうだ。そして永遠の課題、トンボの色残し。鮮やかな複眼も、胸部のラインも、死ぬと全然色が残らない。活路は瞬間冷凍か?
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