ずっとやりたかったことをやりなさい
老後暇になったら小説を書いてみたくなったり、消費するだけの生活には飽きたり、効率化を極めに極めたけど最終的にやることが無くて困ったり。
人が創作を始めてみたくなるきっかけは様々だけれど、これが中々上手く第一歩が踏み出せない、踏み出せても続かないことが多い。
そんな悩みを持つ方にはThe Whoのギタリストピートタウンゼントや、「タクシードライバー」や「シャッターアイランド」で有名なマーティンスコセッシ監督等も影響を受けたと公言する「ずっとやりたかったことをやりなさい(https://amzn.to/3T889Cb)を是非とも手に取ってみてほしいと思う。(僕もその一人だった)
創作をする上でよく障壁になるのが、「世に出して評価されるのが怖い、恥ずかしい」「そもそも素晴らしいアイデアが浮かばない」といったところだけど、本書はその辺りのよくつまずきやすいポイントを見事に解決してくれる。
僕がこの本を気に入っているのは著者の成功バイアスがダラダラと書かれているのではなく、具体的に体系化されたメソッドが確立されているところ。
その中の一つにモーニングページというものがあるのだけれど、この本を読んでからずっと続けている。
方法はとてもシンプルで、毎日A4ノート3ページ分にただ思いつくものを書き殴るというもの。
ただしこれは手書きでないといけない。というのもスマホのフリックやPCのタイピングだと速すぎて思考がゆっくりにならないからだという。
せっかくipad 12.9 inchとApple pencilを持っているのでそれで始めてみると、確かに最初は中々埋まらないのだけれど、それでも我慢して続けているとスルスル文字が溢れてくる。(あと久しぶりにペンで文字を書くという行為がまるで絵を描くようでそれも楽しいのかもしれない)
ちなみに何も浮かばないときは「何も浮かばない」「今何考えているのだろう」といった脳内に再生されている言葉をそのまま書いていい。(ちなみにこれはジャーナリングとも言う)
とにかく3ページ埋める。
これは何をやっているかというと、いわゆる脳の「排水」を行なっている。普段大抵の人は、よりお金を稼ぐため、生活をより快適なものにするためにひたすら効率化を重視して左脳をフル回転させている。
ただ、左脳ばかりブンブンフル回転させていると、例えばモテたいから筋トレを始める。小説や漫画を選ぶときですら今の仕事や生活に役立ちそうな情報が入ってるものを選ぶといった何もかもが損得勘定でしか行動をしなくなってくる。(シャボン玉をただ膨らませたいという感情を時間の無駄と切り捨ててしまう)
そんな左脳の回転を落ち着かせるためのモーニングページだという。確かにこれを始めてから脳内がスッキリして人生の色彩が少し取り戻せた気がしている。(おかげでブログや作曲も再開することができた)
そして、もう一つだけ、筆者は創作とは頭で考えて捻り出すものではなく、まるでミケランジェロが大理石の塊の状態から既にダビデ像を見出したように、「降ろす」ような行為だと述べている点も勇気づけられる。(つまり、これは個人のアイデアは枯れることなく尽きないことを意味している)
詳しくは本書に譲るけど、その「降って」きやすくするための方法が満載なので、是非とも試せるだけ試してほしい。
最後に、僕は創作により右脳を活性化させることは回り回って仕事にも好影響を及ぼすと思っている。(こうしてまたついつい左脳の回転数を上げてしまう癖が抜けないけど)
レンガを一つ一つ積み上げるように考える左脳とは対照的に、右脳は瞬時に大局的に物事を捉えるときに使われるので、より複雑で先が読めない上にスピード感のある判断が求められるこのご時世には鍛えておいて損は無いと思っている(この点に関しては「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス(https://amzn.to/3PwnmtW)」も非常に面白いので興味があれば是非)
このブログがきっかけで少しでも創作に興味を持ってもらえればとても嬉しい。
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