「カステラ風味の残り香だった」
拝啓、すずめ園さま
すずめちゃんこんにちわ！🐾
もう北海道から10日も経っていました
北海道、本当〜〜に楽しかったです‥ 流氷を見たわけでもないのに、お土産売り場をうろつくだけであんなに楽しいなんて‥絶対にまた行きたいです そしてセイコーマートに行ってようかんパンをまた食べたいです 🍞
来てくださった方々も本当に有難うございました！未開の地で知っている人の存在は本当に暖かかったし、北海道で応援しています！という方が来てくれて嬉しかった わたしたち北海道にも届いているんだって、そんな夢みたいなことあるんだね‥ また会えますように 新作を携えて、必ず会いに行きます 🛩
待っていてね
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前回のすずめちゃんの自由律俳句は北海道の気配と寒さの気配が漂う印象でした 朝と夜だけ寒くて、昼間はぽかぽかしている秋特有の空気感と、なんだか一日の流れみたいなものが見え心地よかったです
・開けて焼いた魚の残り匂
焼き魚の匂いは地元の帰り道を思い出します。
魚焼きグリルって不思議ですよね、魚のためにあるグリル、もう焼けたかなって確認するたびに魚の匂いが溢れ出て、洗っても洗っても魚の残り香がする。もしや焼き魚の地縛霊でも居るのかな‥と思います。一人暮らしの我が家はHIで魚焼きグリルがないので、あの焼いた魚の匂い、しばらく嗅いでないです‥
そしてこの句は「魚焼きグリル」と明言していないのに情景が浮かんで、凄い‥と思いました かっこいい句 🐟
・昼食引っ提げくだらない午前
表題句最高です 午前中の「（お弁当まだかな‥）」の感覚、あったな‥
わたしはここしばらく“お弁当を持ちタスクを終える午前中”というシチュエーションを味わっていないのですが、まるで自分がその立場になったような気持ちになりました。くだらない午前の気怠い感じ、きっとデザートのお菓子のことばかり考えてしまう
すずめちゃんの自由律俳句は着眼点に肌馴染みがあるものが多くて、この句もそうだと思いました
・明日はまだ札幌だ
シンプルなのに興奮が溢れ出ていて素敵です
旅行の眠る前の、明日もここに居るんだ‥という感覚って不思議ですよね。妙な安堵感があるというか ホテルのルームキーって、“まだここにいて良いよ券”かもしれない。
時間は限られているはずなのに、なんでも出来てしまうような気持ちになる一泊目はフィーバータイムですね、ああまた早く札幌に行きたい！！！
それでは出雲にっきの自由律俳句 行きます🌾
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・揚げ物だけが来ない
・そういえば筑波はあっち
・風に揺れて幽霊だった
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・あの晴れた日も防犯ブザーが鳴っていた
・膨よかな陽の中に立っている蠅
・濡れ布巾で撫でる猫の手ゆきだま
↪︎実家の猫には脱走癖があって、たまに居なくなる。
はじめて逃げ出した夜を今も覚えている。外は当たり前に暗く、まだちびちびちゃんの猫が本当に心配で、車に轢かれないかとか、きっとお腹が空いているだろうなとか、考えながら名前を叫んで父親と歩き回った。サンダルで中学のジャージ姿のまま、涙を堪え震えた。結局、なんともない顔で帰ってきた猫はこっぴどく叱られ、わたしは号泣して、土だらけの身体を濡れた布巾で隅々まで拭いてやった、叱られたことより、身体を拭かれたことの方がずっと嫌がっていて、猫だなあ、と思った。
それからもよく脱走した。近所の野良猫に見つかり、家の中をトムとジェリーみたいにぐるぐる追いかけ回された事とか、何かを踏んで足を怪我して帰ってきたこともあった。かっこ悪いのに、顔つきは清々しく楽しそうであった。引き戸を器用に開けることを覚え、それから、我が家の玄関には常に鍵が掛けられるようになった。
帰ってくるたび、叱りながら濡れ布巾で隅々まで身体を拭くけれど、まえあしの艶々した毛がびっしり生えた手はなんともいえない愛らしさで、怒っていたことなんかどうでもよくなる。まんまるのゆきだま、白くてかわいいゆきだま。また拭いてやりたいから長生きしてほしい。そのときは変わらず嫌がっておくれよ。
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・ねこぢた噛んであげようか
・台風の誕生日もある
・ビニ傘派の君はあくびが大きい
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・来週は夢で会おうか
・宙返り宇宙に頭ぶつけて
・夜はずっと光ってる
↪︎
よるはずっとひかってる
星がめらめら、彼等は自発的に輝く
なんでひかってるの
光らないと自分の輪郭線がなくなってしまうからさ
光らなくなったら 暗闇に溶けてお終いなんだよ
すごいね ひかってるの
まちもひかる それはもう煩いくらいに
消えてしまいそうな誰かが消えないように
懲りもせず夜を待って、17時を過ぎた頃
プラグを刺されてびかびか、ひかる
彼等は星を消す 夜半の空すらひかりで染める
でも 暗闇では 君のかたちがみえないから
体温の所在でしかわからないから
よるがひかるのも悪くないな
夜 コンビニエンスに照らされるきみの
横顔は 煌々と
まぶしいくらい ひかっていた
🌔
夜についての三句と詩です
わたしは夜はけっこうすきだよ
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・パチンと弾けた氷の軌道流星
・もう無理です機内モードの恋心は
・茶柱か塵か
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・カステラ風味の残り香だった
↪︎ 腕がカステラになったら良いのにと本気で考える。
西洋のスポンジケーキに比べてしっとりみっちりしているから、雨風にも強そうだし、何よりお腹が空いたら食べれる。はちみつと卵の甘い匂いが漂って、カステラの手を繋げば多分やわらかい。誰か繋いであげましょうか
カラメルの部分はどこになるんだろう。多分肘とかだろうか。関節は補強しておいたほうがいい、ザラメの詰まった飴色の肘はきっと愛らしいでしょう。まあるい肘当てのついたニットのように、少し腑抜けてて良いかも知れない。
二の腕はフワフワ軟いから、たぶんカステラにぴったりだ。小さな頃、低反発の枕がカステラに見えて、どうしても食べたくなったりしたけれど、カステラの二の腕にもたれかかったら良い眠りにつけそうだと思う。
ああ、腕がカステラにならないかしら。その暁にはアンパンマンみたいに分け与えて世界を平和にしたいな。でも、明日起きて本当にカステラの腕になっていたら、ちょっぴり怖くて叫んじゃいそうだな。
なんて、くだらないことを考えるのはいつも電車でねむかけした後だ。車内には、蜂蜜みたいな香水の匂いが漂っていた。
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たおやかな風味になっていたら嬉しいなと思いながら詠んだ自由律俳句でした 意外とボリューミーになってしまった みんな読み疲れなかっただろうか‥(ふあん)
札幌から帰ってきて10月は凄まじく早く、忙しく過ぎて行き、でもひさしぶりに本を読んだり部屋を掃除してみたらとても楽になりました 最近は夜な夜な、取り憑かれたようにクイックルハンディをかけています 🧹➰
生活と共に自由律俳句がある事。言葉は陽が差したりパンが焼けた瞬間に生まれたりするのね、ギラギラしていなくても、強くなくとも、言葉はするりと心と心の隙間から顔を出して引っこ抜いたらこんな形になりました それを自由律俳句と言って良いのだろうか、と葛藤もありますが、これはこれで愛らしいかもしれない
すずめちゃんはもう北海道のお土産食べきったでしょうか わたしはまだです
少しずつ身体から北海道が抜けてゆくのは寂しいですが、また行けることを夢みて明日も頑張ろうと思います☃️次行くときはわたしも絶対缶入りの白い恋人かうぞ‥❕🤍
寒くなってきたから気をつけてね
それではまたね〜 すずめちゃんっ𓅮
にっきより
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☃️文学フリマ札幌報告会＆即売会のお知らせ☃️
文フリ札幌のために結成したユニット「ひだりききクラブとせきしろ」ですが、北海道の報告会を東京にて行うことが決定しました❕❄️
遠征にてたくさんできた思い出や嬉しかった事を、写真などを交えてたくさんお話します📸
ひだりききクラブとせきしろ初のコラボ句集『番号札を取ってすぐ呼ばれる』他、個人の新作ZINEも販売予定です❕
ささやかなお土産もあり〼❕お待ちしております
〈イベント内容〉
ひだりききクラブとせきしろの『文フリ札幌報告&新作即売会！』〜ほっかいどうは、でっかいどう〜
日程 10月24日(日)
時間 11:00開場/11:30開演
会場 下北沢BREATH
出演 せきしろ、ひだりききクラブ
※有料配信もあります！(11/7 23:59までのアーカイブ有)
🎫詳細・会場チケット⇒ https://tiget.net/events/149894
🎫配信チケット
⇒ https://twitcasting.tv/c:breath335/shopcart/106156
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次の更新は10月20日 すずめ園ちゃんの番です🛖
『ひだりききクラブ』プロフィール
出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している
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