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十三不塔「おかしなおめかし」
◆作品紹介
夜会を終えたひとりの淑女が帰宅する。彼女は眠りにつくために身につけていた装飾品を剥ぎ取りはじめるが、読者はそこで驚きの光景を目の当たりにする。作中世界はどういう時代のどういう場所で、一体全体どういう背景があるのか――場所は地球なのか、語り手は人類なのか、そもそもすべては確かな現実として語られているのか。描写を頼りに読者は想像するほかないが、目の前の不思議なできごとにただ単に身を委ねてみるだけでも楽しいことに違いはない。眠る前のほんのわずかなひとときの、奇妙な淑女の奇妙な語りに乗せられて、ぜひとも煙に巻かれていただきたい。
(編・樋口恭介)
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4,414字
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