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ヨアヒム・ヘインダーマンズ/紅坂紫・訳「コンと窪地の衛兵」
◆作品紹介
〈それを為せば〉〈奴らが来る〉——凍えるような寒さの中で「コン」と「衛兵」は窪地に火を灯すべきかを争う。異形の言語を介したふたりの曖昧な会話は、まるで作中の空模様のように、今にも崩れ出しそうな不穏さを湛えながら進んでいく。その先に待っているものとは一体。日本ではほとんど紹介されていない作家だが、ファンタジーとSFのあわいに広がる作品世界は、わずか3000字とは思えないほどの豊穣さを細部の描写から漂わせている。ぜひとも、想像力の世界を自由に歩く楽しさを存分に味わっていただきたい。(編・青山新)
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3,738字
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