畠山丑雄「とにかく大きい洪庵先生」
洪庵先生は冷製パスタが好物であった。
一般的にはパスタは日米修好通商条約により外国人居留地となった横浜で初めて持ち込まれたものと考えられている。しかし横浜港開港が一八五九年、少なくとも洪庵先生は五五年にはパスタを食べていたので、先生は一般的に考えられているより以前からパスタを知っていたわけである。洪庵先生は何だってそんな風だった。一般的に考えていたのでは先生のことはわからない。
また冷製パスタは現代でこそ一般的であるが、それが広まったのは、1970年代、伝説のイタリア人