自分でワークデスクを作った話
いくつの頃だったかわからないが、初めて買ってもらった机はポケモン図鑑のマットがついた学習机だった。姉の机よりピカピカで引き出しが多いことをこっそり自慢に思っていたような気がする。それから多少年をとって、急に学習机を使っていることが恥ずかしく感じるようになってからは、スチールラックを調整して机の代わりにしていた。この机、高さ調整が自由な点と収納と机を一緒くたにできることは便利なのだが、難点がある。キーボードを叩くとラックがシャンシャン鳴るのだ。
日常でネットサーフィンをするくらいならそれでもいいけれど、在宅勤務をするには流石にストレスが大きく、そろそろちゃんとした机を用意することにした。
まず、検討にあたって既製品のリサーチをした。デザインにこだわらなければAmazonやIkea等で1万円前後のものもあったが、どうしても納得できず、とは言っても気に入ったものは7、8万円〜という有様。じゃあ自分で作れないか、と思って調べてみると、同じようなことを考える人は多いもので、既に丁寧にまとめられたnoteがいくつもあった。
僕がやっていることはほぼ上記のまねっこなので、この記事では個人的に悩んだ点やポイントに感じた点を中心に記載したいと思う。
僕もDIYの経験が多いわけではないので素人のメモ書き程度に理解して欲しい。本文はだらだらと長いので、先にまとめを書いておく。
・総費用 :27,376円
・作業時間:3時間程度(乾燥時間を除く)
・ポイント:①木材の注文内容が一番仕上がりと費用に影響する
②難しいのは鬼目ナットの埋め込み
③拘らなければ塗装は難しくない
④百均を信じろ
1.木材を注文する
近所にホームセンターがあって木材のカットまでしてくれる場合はそちらを利用した方が安上がりだと思うが、僕は車がないのでネットで発注することにした。当然といえば当然だが、この木材が一番材料費の占める割合が高い。上質な材木や大きい木材を注文すると一気に予算が圧迫されるので注意。
上述のnoteでもご利用されていたがマルトクショップを利用することにした。でかい。でかい木の板、謎にわくわくする。
注文内容は以下に記載した。これだけを見てもよくわからないと思うけど、自分でサイト触ってみたら多分わかる、と思う。ちなみに発注から到着まで4週間かかった。到着するまでに飽きたらどうしてくれるの…?
・木材:アカシア(節・白太有り) 集成材フリーカット
・大きさ:幅1100mm×奥行600mm×厚さ30mm
・磨き加工(ヤスリやカド取りなどが選択できる):
面[A]:上R面(3R)+ 下糸面 + 磨き
面[B]:上R面(3R)+ 下糸面 + 磨き
面[C]:上R面(3R)+ 下糸面 + 磨き
面[D]:上R面(3R)+ 下糸面 + 磨き
・穴あけ加工(配線を通すための穴をあけられる):
四角形穴[1] 貫通 x1:200mm,x2:300mm,y1:0mm,y2:30mm 角突き:無し
四角形穴[1] 貫通 x1:200mm,x2:300mm,y1:0mm,y2:30mm 角突き:無し
四角形穴[2] 貫通 x1:800mm,x2:900mm,y1:0mm,y2:30mm 角突き:無し
四角形穴[2] 貫通 x1:800mm,x2:900mm,y1:0mm,y2:30mm 角突き:無し
→11,640 円
選び方の観点としては大まかに以下の通り。
(1)無垢材か集成材か
ざっくり言うと無垢材は一枚板、集成材は複数の木材を圧着したもの。当然集成材の方が安価で、僕は予算的に集成材しか選択肢はなかった。
(2)大きさ
既にデスクがある人はそれと比較して考えれば良いが、初めてデスクを作る場合、いきなり大きさを聞かれても困ると思うので参考リンクを貼っておく。あまり小さいと自作の良さが半減するが、大きくしすぎると木材が反ったり、引っ越し時に搬出できなかったりする可能性があるので要注意。オフィスワーカーは自分の席の大きさを測ってみるのも面白いと思う。オフィスデスクは概ね規格が決まっていると聞いたことがある。
(3)色
悩ましい部分だが、あとあと塗装するので、あまり気にしないことにした。集成材を利用するので、いっそのことムラがある板材の方が面白いかな、と思いアカシアを選択した。
2.やすりをかける
到着した板材は既に割とつるつるだったが、もう紙やすりを買ってしまっていたのでやすっておくことにした。耐水ヤスリはネットやホムセンで購入するより百均の方が安い。
3.下穴を開ける
下穴を開ける際には、当然ながら電動ドリルが必須だ。インパクトドライバーじゃないとパワーが足りないと記載している人もいるが、僕の場合は電動ドリルで問題なく作業できた。安いものは3000円くらいで買えるので、一つ持っておくと便利だ。木工用のドリル刃を持っていないというあなた。百均で売ってます。
(1)脚を止める場所を決めて、下穴をあける。
これによって、何度でも脚の取り外しが可能になるので、引っ越しの際の搬出が容易になる。ただし、これが一番大変だった。鬼目ナットは木材に下穴を開けてから埋め込むが、この下穴のサイズが難しい。下穴は大きすぎると鬼目ナットがはまらないし、小さすぎると木材を割ってしまう危険がある。今回は下図程度であれば脚で隠れるため問題ないが、板自体を割ってしまってはおしまいだ。
ちなみに鬼目ナットには金槌で埋め込むタイプと六角レンチでねじ込むタイプがある。僕が利用したものはねじ込むタイプで、M6の13mmという規格だった。下穴の大きさは8mmにしたが、埋め込む時に割れるのではとヒヤヒヤしたのでもう少し大きくてもよかったなと感じた。
また、鬼目ナットを埋め込む位置がずれると足が止められなくなるので、下穴を開けるときにはとにかく慎重に中央に穴を開ける事を意識する必要がある。
(2)後は収納関連を設置するための下穴を開ける。本当は引き出しをつけたかったのだが適当なものが見つからなかったので収納ラックというものを購入してみた。箱がしっかりしていておしゃれだった。また、ACアダプタを収納するカゴと、電源タップをぶら下げる棚?も設置する。収納ラック以外は全て百均だ。すごいな百均。いつもありがとう百均。
4.塗装
木材は到着した時点で割とすべすべだったが、もうヤスリを購入してしまっていたのでやすっておくことにした。ちなみに粉塵を掃除する際はクイックルワイパーを使うとかなり拭き取れる。このnote唯一の有用な情報かもしれない。
ヤスリが完了したら、いよいよ塗装だ。何を使うかかなり悩んだが、飲み物をこぼしたり結露がしみたりする可能性を考慮して、どうしても撥水加工をしたかったので、オイルで着色した上でワックスでコーティングすることにした。
オイルはワトコオイル エボニーの200ml、ワックスは未晒し蜜ロウワックスの100mlを購入した。
(1)オイルの塗装
オイルの浸透率は木材の種類によって異なる。また断面やキズ、継ぎ目にはよく染み込むため色が濃くなる。ただ、塗れば塗るほど色が濃くなるわけではなく、一定以上塗っても下図のとおり浸透せず表面に浮いてしまうため、塗りムラをなくすためには多少多めに塗った方がよい。
一度塗ったら少しおいてから乾拭きする。その後1時間乾燥させ、二度目を塗ったら乾かさずに耐水紙やすりでやする。これをすると板材の微小な隙間に粉塵が入り込んで、よりツルツルになるらしい。それが完了したら1日乾燥させ、乾拭きするとかなり色味は落ち着く。そういう意味ではやはり色合いの希望は木材の注文時点で反映させる必要がある。
ちなみに購入するワトコの量をケチったので足りるかな、と不安だったが、表面+側面であれば十分に足りた。
(2)ワックスの塗装
塗っては乾拭きを繰り返す。ワックスの種類によっては塗ってから時間をおいて乾拭きさせる方法もあるようだが、僕が使った未晒し蜜ロウワックスは塗ったらすぐ乾拭きするらしい。これも1日乾燥させる。若干ツヤが出たような、ツヤが出ているように見えるような写真を撮ったような、そんな写真。
結構塗ったが4分の1も使わなかった。全然関係ないが何が未晒しなんだろう。使ったら既晒しなんだろうか。
5.組み立て
特筆すべき点は特になかった。ひたすらネジを止めるだけ。そして組み上がったのがこれ。まぁまぁいいのでは⁉︎
机の裏側は次のとおり。
かごについては若干お粗末感があるが、まぁ使えればいいやくらいのおおらかな気持ちが肝要だ。
6.まとめ
冒頭にも記載したが今回の自作に際してかかった費用は大体次のとおり。
木材 12,740円
脚 7,081円
収納ラック 2,970円
オイル 1,236円
ワックス 1,680円
鬼目ナット 899円
百均もろもろ 770円
→計 27,376円
想定内ではあるが、金額だけ見たら特別安くはなかったと思う。その分長期間使えるよう大切に使っていきたい。木材は経年変化を楽しめるのも良さであり、もっと言えばアンティーク感が出た方が好みなので楽しみでとも言える。ちょくちょくワックスを塗り直さないといけない。机上にあまり物を置かないようにしなければ……。
使い心地も結構いい。ただ、思ったよりも若干高さが高かったので、身長に合わせた脚の高さを選択する事は重要だと感じた。
当分はこのデスクを最大限楽しめるよう、当分は部屋に篭ろうと思う。あー楽しかった。