好きな色の話

ふと思い出したので、なんとなく更新しました。

小さい頃、好きな色というものが特になくて、女の子だからという理由であてがわれるピンクが正義でした。
皆が可愛いと言う色を持つことが良いことだと思い、好きな色を聞かれたらピンクと言うことを決めていました。

幼稚園の頃に、劇で主役をやるような、誰から見ても可愛い女の子の友達が優しくて好きでした。
その子とお喋りしたくて、たくさん話しかけていました。
好きな色の話をしていた時に、周りの女の子達が、ピンクが良い、ピンクが可愛い、と口々に言う中で、その子だけは私は水色が好き、と言いました。
ピンクが誰よりも似合いそうな、可愛い友達がそうはっきりと答えたのを聞いて、水色が好きでも良いんだ、と驚いた覚えがあります。

私は兄がおり、フォークの色も、歯ブラシの色も、水色は男の子用と決められているかのように分けられて使うように言われ(実際はただ識別がしやすいように振り分けただけでしょうが)同じように兄がいるその子は、自分で選んで水色を使っているのだと教えられて羨ましかったです。

それから何となく、ピンクを選ばなきゃいけない気持ちから解き放たれて水色が好きと言うようになれました。本当は空の色のような青さが好きで、自然にないような濃いピンクは苦手でした。
それまでピンク色のものばかりだったけれど、ピアノの発表会に贈り物で水色のバッグを貰ったのがとてもとても嬉しかったです。

今でも水色が好きです。自由な気持ちがするからです。
ただ、一番好きな色というものは未だにこれといってありません。
どの色も綺麗で可愛いし、濃い色より薄い色が好きだな、という程度の気持ちがあります。
水色もピンクも好きです。

もしも今、ランドセルの色を選べと言われたら迷って迷って黒とか茶色にするかなぁ。どんな色の服でも合わせやすそうだから、なんて子供らしくない感想を抱いてしまいました。

どんな色でも素敵だし、どんな人がいてもそれが世界だし、そう思うような日々ですが、こうしたいということは自分でちゃんと決めていい。そうしなきゃいけないとか、周りが皆そうだからとか、流されずに、自分がそうしたいからそうする。

そうした方がたぶん昨日よりもっと楽しい。

正義は正しさではないけれど、善悪の価値観は人に委ねられているので時に応援し、時には声を上げながらもこの先を見守りたいなと思います。
さりとて人は間違うものなので、自分が正しいと視野を狭くしないよう気をつけつつ。