ゲームレビューっぽい雑記 バベル号ガイドブック編
まえがき
前回のゲーム寸評(?)から3年経ちましたがご機嫌麗しゅう。
早速ですが本日ご紹介致しますのはこちら!バベル号ガイドブック!
ウィンターセールで購入した、前々から気になっていたKawaii系ADV。
バタフライエフェクトを起こして物語を改変し、輪廻転生を司る場所「バベル号」で起きた事件の顛末を見届ける、といった内容。しかも群像劇っぽいときた。
昨年末はギフトで頂いたゲームを連続で崩したので、新年1発目は自前のゲームで!という経緯で積まずにプレイした。ゲームクリアまで9時間、トロコン+αまでやって総計15時間プレイしたうえでの個人的評価を、あまりネタバレのない程度に書き連ねてゆきたいと思います。
評価点
・軽快に進んでゆく重く苦しいストーリー
転生がテーマなだけあって、話の根幹となる部分はかなり重い。また、副題として、登場人物各々の、過去に対する認識、見解や心情もあるように感じた。記憶コレクターで語られるバックストーリーは……
しかしそこはバベル号。陰鬱さとは無縁でございます故ご安心を。そういったテーマを扱っておきながらも、終始明るく進行する。
・謎解きをアシストしてくれる「ノート」システム
クエスト毎に、ノートという機能を用いて状況を整理することができる。事の始まりが既にわかっている場合は、わざわざ解かずともバタフライエフェクトを発生させ、先に進むこともできる。(その場合、推理に必要なイベントを全て発見した扱いにしてくれる)
無視できるとはいっても、実績解除のために結局解くことにはなるのだが。
・グラフィック、BGMは秀逸
落ち着いた色合い、簡潔な絵柄ながらも、情景は美しく、キャラの動きも生き生きしている。(死後の世界だけど)
管楽器主体の落ち着いたBGMもレトロスペクティブでノスタルジックな雰囲気と合致しており、体験をより良いものとしている。
懸念点
・物語を根本から大きく変化させるような改変は起こらない
基本的にその場その場で、そこまで大胆ではない変化を繰り返して物語は進行していく。ゲームシステム的にそのシーンを無かったことにして~というのも厳しいそうだから仕方ないところもある。
期待しすぎと言われたらそれまで。
・一部会話の見返しがかなり面倒
バタフライエフェクトを一度発生させると、発生させる前の状態に戻せなかったり、介入の余地がない場面は、再度そのストーリーをプレイした際飛ばされたりする。その範囲内にある会話や反応は、最初からプレイする以外にもう一度見る手段がない。
バタフライエフェクトがテーマで、変化を楽しむゲームであるだけに、前後の比較がし辛いのは残念である。
・翻訳は粗め
敬語、タメ口、男性口調、女性口調が入り混じっている。物語の進行や、ストーリーの理解に影響があるような致命的な誤訳は覚えている限りではなかったのは幸い。
総評
端的に言うと、個人的には好きだけれど、オススメかと言われると言葉に詰まるゲーム。
決して悪いゲームではない、いや、いいゲームです、いいゲームなんですよ。面白いし、いい話だけど、この作品固有の強みに欠けるというか、人に勧めるにあたって他に先に出すべきものがあるというか、好みの要素が多くて客観視できないというか……
要するに「俺は好きだし楽しめたけど……」って言いながら投げるタイプのオススメです。グラフィック、ストーリー、システムのどれか2つ以上が琴線に触れたなら購入を検討してもいいと思います。