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おにぎりの一口目は世界を救う

ご無沙汰しております。あんにゅいです。

突然ですが。みなさん、こんな経験はありませんか。
ああ、今日はこういう日だ……( 一一);

「ある」という方、一読いただければ幸いです。

昨日のことです。
出勤の道中、道端で犬のフンを踏んでしまいました。ほっそいヤツでした。小型犬でしょうか。
その五分後、右肩にポトっと水滴の気配が……おや雨? と肩元を見ると、スーツの布地に液状の白いモノ。思わず電線を見上げます。すると見計らったように、一羽のカラスが視線をそらしました。そうですか……。
実はあんにゅい、一昨日から便秘だったのです。そろそろ便秘薬にお頼み申すか、迷っていたところでした。恥ずかしながら、ひそかに便の訪れを待っていたのです。
ですが、何もこのような形で便を欲していたわけではありません。朝から、何らかの神に侮辱されたような心地でした。

出社後も、今朝のことが何かの前触れだったのではないかと思うほど、中途半端に小さい不幸が重なりました。
●ロビー(衆人環視)で盛大に転倒する→胸に抱えていた資料、ドッシャーン、パラパラパラァ~。そして哀れみの視線。しれっと立ち上がり、何事もなかったように資料をかき集めるときの、羞恥にさらされた空気感。
●エレベーターに乗る。先客あり。上昇中、急に屁のにおいが立ち込める→最後に乗車した新参者として、なぜか疑惑の視線が向けられる。
●指導していた新人クンのすさまじいミスが発覚→ザンカク(残業確定)
●普段なら絶対にしない計算ミスで上司の怒りを買う。
●おかしなタイミングで生理が始まる→トイレットペーパーで対処する羽目に。(ナプキンは常備すべし…)

などなど。
ひとつひとつは取るに足らない災難です。しかし、砂鉄も一定量を超えれば重い鉄になります。
さらに、生理によるホルモンバランスの乱れを受け……昼休憩を迎える頃には、「私、いなくなった方がマシじゃないか」という境地に達しました。

午後も予定が詰まっています。いつものように、喫茶店でゆっくりとサンドイッチを食べる暇などありません。
コンビニへ走り、「塩おにぎり」を買いました。パッケージや味のシンプルさに惹かれたわけではなく、「いちばん早く食べられそう」と直感しただけのことです。申し訳ないですが、味わっている余裕はない。

そう思い、イートインスペースの隅っこで袋を空けました。せめて温めてもらえばよかったなと後悔しつつ、はむ、と一口。

やわらかく握られたが米粒が、ほろほろと舌の上に広がります。ほのかな塩気と、やわらかな新米の香り――。
一口分のくぼみができた塩おにぎりを、思わず凝視します。
え……? 
世界が一瞬だけ止まったのかと思いました。
いや、厳密にいうと、コンビニのイートインスペースの一画だけ。客の入退店を告げるメロディが、どんどん遠のきます。
おいしい。
嚥下してしばらくしても、余韻が尾を引きました。そして我に返った頃には、手の中からおにぎりが消えていました。

思えば、午前中の「今日はこんな日……」と思わせるような数々のハプニングがなければ、私はいつも通り、喫茶店でスマホをいじりながら、何の気なくお昼を済ませていたでしょう。

もしや、朝から続いた災難は、この一口を味わうためにあったのでは――。

ふいとよぎった「願望」です。
そうに違いない。そう自分に言い聞かせてみると、なんとなく「確信」に変わった気がしたます。
したがって、「今日はこういう日」→「まあまま、いい日」に変更になりました。

以上。
現場から、あんにゅいがお伝えしました。
では、次回の投稿まで。相変わらずコロナが調子に乗っておりますので、みなさん、くれぐれもご自愛くださいますよう…。


                          あんにゅい


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