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変態的美術鑑賞



趣味といえば昔から読書や美術館に行く事。
友達も少ない。
顔は皆から綺麗と言われるほうだけど、
彼氏はいつもいない。

平凡というより人から見ると真面目とみられ
つまらない三十路の女だ。


休日は上野や六本木にある美術館によく出かける。

クロードモネやフェルメール、ルノワール、
西洋美術が大好きだ。


私は学生時代、美術の授業が苦手だった。
それにはこんな影響があった。

美術の先生は女性だったが、いつもタバコ臭く
『お前らぁ〜!』などと
下品な言葉遣いでとても不愉快だった。

おかげで私は中学の3年間一度も絵具や筆に
一切触れることなく卒業した。
#グレてはない

科目の好き嫌いとは、先生で左右させられるものなんだなとその時思った。

社会の先生はとても面白い先生だった。
私は歴史が大好きだ。



23歳の夏
私は地方出身の子仲良くなり、その子が
『上野美術館に行ってみたい‼︎』
というので、一緒に行く事になった。

別に興味がなくフラーっと見ていたら1つの絵に目が止まった。

中世のヨーロッパ時代の貴族だろうか、
若い男と女が正面を向いたごく普通の
証明写真の様な絵に
私は目を奪われ、離れることができなくなっていた。

絵を見ていたら勝手に頭の中でストーリーが見えた。

「この男女は若く、そしてとても愛し合っている

だがこの絵が完成した時には何かしらの理由で別れなければいけない
という事を悟っていて悲しみの表情と2人が愛し合っているという証拠の自画像を描いてもらっているという嬉しみの表情が混ざり合っている
2人は複雑な気持ちなのだ」と。


一通り、考えた後

私は「はっ!」っと我に返った。

私は約15分程その絵の前に立ち
全く架空の物語を妄想していたのであった。

(やだ、きもっ、私。)

自分がかなりの妄想していて恥ずかしいと
思った反面、

私は『大人の遊び方』を見つけた気がした。


絵の細部やタッチやなんやらなどは
全くもってど素人。

だけど妄想となれば次々と物語が出てくる。

不謹慎だと思ったけど見方は自由だと
自分を正当化した。

それから私は狂った様に
週末になれば美術館に行った。

今回は〇〇の美術展がある!とか

片っ端から足を運んだ。

そして新たにルールを加えた。

"イヤフォンガイド"

を使って物語の答え合わせをするのだ。

どの絵にも、真実の物語がある。

最初は絵を見て自分で妄想を膨らませ、
ストーリーを作る。

そして気が済むまで妄想した後、
イヤフォンガイドで答え合わせをする。

これがかなり面白い。

まーったく違うストーリーだったら

『あーそっちね!』と、

似た様なストーリーだと

『やっぱそうだよね〜、1800年代の人とも
価値観あうじゃん笑』

などと、私の脳内はかなり盛り上がる。


こうなったら誰も私を止められない。
#止める人などはなからいない

そうして
私の日曜日は美術館で終わってしまう。

こんな週末をもう7年も続けている、。


こんな変態に付き合ってくれる殿方がいるのであれば
是非とも紹介してほしいものだ。



To be continued...









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