【小児科専門医が解説】赤ちゃんの肌についての悩み、疑問
こんにちは。
子育て医療のあんよ編集部です。
あんよでは、複数の小児科専門医と一緒に作り上げる子育て医療のQ&Aの発信をしております。
この記事は、主にあんよで寄せられたQ&Aをもとに作成しております。
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赤ちゃんの肌についてのQ&A
1. 生後12日目ですが、身体の色々な部分の皮膚がむけてきています。これは大丈夫なのでしょうか?
多くの赤ちゃんが、程度の差はあっても肌がポロポロと剥けることがありますが、これは病的な現象ではなく、「新生児落屑(しんせいじらくせつ)」と言われる生理現象ですので、赤ちゃんが元気であれば、全く心配ありません。
お母さんのおなかの中で羊水や胎脂に守られていた肌が、生まれたとたんに乾燥にさらされることが原因と言われています。
皮は、細かい形でむける場合もあれば、大きくむける場合もありますが、いずれも無理にむいて取り除こうとせずに自然に落ちるのを待っていれば、数日で自然にとれてきれいな皮膚になります。
まさに「一皮むける」といった感じですね。
2. 皮膚に色が抜けたような白いところがあり、心配です。
赤ちゃんの皮膚には、生まれた時には気づかなくても、いろいろな種類のあざ(母斑)がみられることがあります。
赤色や青色のあざはごく普通にみられますが、色が抜けたような白いところが見つかるのは、珍しいことです。
1個なのか、数個なのか、またその部位によって特徴のある病気のこともあるので、体の他の部分の皮膚も十分に注意してみてください。
小さい範囲のうすく色の抜けたようなところが一つあるくらいでしたら、白色母斑かもしれません。
皮膚炎や湿疹のあと、また火傷のあとに不規則な形の白い部分があるのでしたら、いずれ時間と共に消えていきます。
時間の経過と共に数が増えたり、広がってくるような場合は、経過を十分注意して観察していくべきでしょう。
心配であれば、小児科医への受診をお勧めします。
3.ベビーパウダーは使っても良いですか?
ベビーパウダーはあまり推奨しません。
ベビーパウダーを推奨しない理由は、つけすぎるとけあなを塞いでしまいます。
誤って吸入すると窒息する可能性があり、またタルクの中にアスベストが混入している製品があり、問題になったことがあります。
海外では好みますが、日本ではほとんど見なくなりました。
4.白目や皮膚が黄色いように思います。
この新生児・乳幼児期はまだ少し黄色い赤ちゃんがいますが、便が白っぽくなく、哺乳良好で、活気があれば、まず問題ないです。
母乳栄養児には、軽い黄疸(おうだん)がかなり長く続くことがあります。
これは母乳の中に含まれる、ある種のホルモンの作用によるものであることが明らかになっています。
これは心配ないもので、授乳を止める必要はありません。
自然に治ります。
5.頭の皮膚に白いかさぶたのようなものが、びっしりとこびりついています。
脂漏性(しろうせい)湿疹によるあぶらかすなので、お風呂でせっけん(洗剤)を使って、洗って取ってあげてください。
オリーブオイル、ベビーオイルでふやかしてから洗うと取れやすいです。
6.皮膚に発疹(ほっしん)が出てきました。アトピーでしょうか?
生後1か月ごろの乳児の発疹が、アトピー性皮膚炎である可能性は非常に低いです。
大部分は、汗疹(あせも)か乳児湿疹(赤ちゃんニキビ)でしょう。
アトピーというのは、痒みを伴う慢性に経過する湿疹の一つで、家系内に同じような皮膚炎や喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギーを持っている人がいることが多いのです。
もし、お母さん、お父さん自身やご兄弟が幼少時にひどいアトピー性皮膚炎だった場合には、注意が必要です。
離乳食開始ごろに湿疹の程度が強い場合は、小児科医による診察を受けて食事指導が必要です。
その上で、医師が必要と判断したら、血液検査(食物特異的lgE抗体)で確認しますが、血液検査だけでアトピー性皮膚炎(食物アレルギー)を診断できるわけではありません。
不要な検査による不適切な食事制限は、避けるべきです。
心配なことがあれば、すぐに小児科医へ相談しましょう。
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