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第8話 私に恋愛なんて出来ないよ

◁前回のお話

ネコミミ村まつり開催中~(2024/7/25)
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 恐怖の静山坂しずやまざかの帰りも、恐怖。
だって、坂が急すぎて、走ったら止まらない・・・自転車で降りようもんなら、怪我の一つぐらいは覚悟しなくちゃいけない。
 そんな静山坂しずやまざかを、琴実ことみと二人で帰る。

「最近、寒くない? 」
「うん、寒いねぇ~」
静山丘しずやまがおか高校は、丘の頂上にあるから、気温が下より寒い気がする。
風が通りやすいからだろうか?時折吹く強風に、身がよじれる思いなのさ。

 私は、マフラーをすっぽり口までかぶって、坂を下りている。
琴実は、ニットを耳まで被って、防護している。
二人とも、はたから見たら変なのかなぁ・・・
私は、スカートの下にジャージを着てるから、そんなに寒くないけどね。

 そうして、坂を下りきったら、駅前になる。
駅の名前は、両淵りょうぶち駅。そんなに大きな駅じゃないから、都会のようにオシャレなお店とかは無いんだけどね。
 でも、駅前には、食べ物屋さんとか、まあ、あるからさ、ほとんど駅前で済ませれる。

 だって、都会に行くには、ここから乗り継ぎとかもしなくちゃならないから、結構めんどくさい。
 それに、最近なんだけど、この不景気の中、駅前には新しくオープンしたお店とかちょっとだけ増えてきた。
 こんな田舎の駅前んとこに出して、やっていけるのか、心配だけど・・・

 両淵りょうぶち駅前は、人が多いなぁ・・・って、いつも思う。人が多いのが苦手なんじゃなくて、歩道を歩きづらくなるから嫌なんだよね。
琴実ことみと、何気ない会話をしながら、目的地へと向かう。駅の高架下こうかしたにある。

「あ、けっこう、いっぱいだよね~」
みんな行く場所が無いのか、テストが終わった後なんかは、ファーストフード店は、学生で埋まる。
「ふうは、何食べる? 」と、琴実が聞いてくる。
「じゃあ、チキンタツタ食べる~」と、私は即答した。

「琴実は何食べんの? 」
「え~、私は、ストレートティーでいいや」
食べないの? じゃあ、何で私に食べるの聞くの??
「えっ? 私だけ食べてたら、変じゃん? 」
「そんなことないよ~。ふつ~だよ」
何が「ふつ~」なのか、さっぱり分かんないんだけど・・・
「ええっと、お決まりですか? 」と、困った様子で、聞いてきた店員さんだった。

***

 結局、私は、チキンタツタのセット・・・にしちゃって、琴実はストレートティーだった。
 席について、番号札の裏とかひっくり返して見てる私に、琴実が聞いてきた。
ちなみに番号札の裏側は、真っ白だった。#どうでもいいか

「ねぇ、ふうって恋とかしないの? 」
え?いきなり言われても・・・少し、考えてから、「しない・・・というか、出来ないんじゃない? 」と答えた。
「どうして? 好きな人とかいないの? 」
「う~ん・・・好きな人いたら、琴実にもう言ってるんじゃない? 」
「そうだよねぇ。ふうって昔からそうだもんね」
何が言いたいのか、さっぱり分からないけど、ちゃんと琴実の話を聞かなくちゃ。
「どうして、そんなこと聞くの? 」
と、私は琴実に聞いてみた。

「あのね・・・実はね・・・」
「34番の番号札でお待ちのお客様。お待たせいたしました!」
人がせっかく話の核心を聞こうとする時に、なぜ邪魔をする、店員よ。
「あ、はい。」・・・でも、普通に答えちゃうんだよね、私って。
「チキンタツタのセットになります。ごゆっくりどうぞ」
・・・私達の目の前には、話を邪魔したチキンタツタのセットが、おいしそうに並んでいます。

***

「あの、ごめんね。琴実。続きを話して」
「あ、いいよ、いいよ。食べてからでいいよ」
「だってさ、食べれないよ。話が気になるし・・・」
どんどん冷めていくポテト達よ、ごめんなさい。

「えっと、ふうに内緒にしてた事があるんだ」
え、何?
「実は、今年の夏から、バイト先の人と、付き合ってて、なんか、ふうに言えなくて遅くなったんだけど・・・」
ええっ!! ほんとに知らなかったよ~、そんなの~!!
「え、あ、そうなんだ~!」
私は、驚きを隠そうとしたけど、ダメだった。
「ふうには、何か言えなくて、ごめんね」
「でも、琴実。どうして今言うの? 」
「あ、えっと・・・昨日、彼から別れよって言わて」
「それで、どうするの? 」
「まだ、分かんない。はっきり決められないの」

 私は、琴実の彼の事や、付き合った時のこと等、色々聞いた。
と言うか、琴実は、誰かに話したかったんだと思う。
そんな話を聞きながら、私は、目の前にいる琴実が、昔の琴実じゃなくて、なにか遠い存在のような気がしていた。

 私には、恋愛なんて出来ない。
そんな感情がかないし、こんな私に興味を持ってくれる人なんかもいやしない。

続く

あとがき

 ふうは高校の制服の下にジャージを着る女の子です!
 冷えは、大敵!!昔から、娘にそう言っていたら、めちゃくちゃ夏でも着こむようになりました💦
 理由は、焼けたくないからだそうです…でも、そのおかげで熱中症になってしまって、一昨日、高熱を出してしまいました。
 物語と何の関係も無い話で、ごめんなさい🤭

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🐶「風の花」バックナンバー🐶
第1話 あなたは柴犬?
第2話 信じてくれないよね?
第3話 あれれ?晴れから曇り
第4話 星がある公園だよ!
第5話 嘘ってつくの苦手ぇ〜 
第6話 私の朝はいつも早い・・・わけないじゃん!早く起きれたらなぁ
第7話 テストって退屈じゃない?
第8話 私に恋愛なんて出来ないよ


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