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俳句11(用水路に落ちたことない人の句)

令和5年9月〜10月

龍淵に潜む砂場の落とし穴

十六夜や隣家のチャイム連打され

ネクタイのペイズリーには秋袷

店畳む報せのその後敬老日

萱を刈る愛を受け取れない日にも

薩摩芋分ける相手のいればこそ

可愛さをオクラに言っていれば無視

死ぬ時に見られるはずの秋の沼

鶺鴒や朝の川には朝の水

ボンテージ新調しても秋意かな

秋の家母は太極拳に行き

マスカット甘さを全肯定されて

果樹園が一生のすべて秋の蝶

革靴やようよう寒き立ち飲み屋

秋澄みて落ちたことない用水路

ダンスだけ本気わたしの運動会 

草の穂をぴょこぴょこさせて羅針盤

寝覚月どこから見ても主婦の顔

われからを飼っている胃が過食する

赤ばかりひねもす後の更衣

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