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実は鳥たちの社会性はすごいんじゃないだろうかという話
少し前に、いつも通る農道脇にカワウがいるのを見かけました。
カワウは通常群で行動する鳥ですが、そのカワウは田んぼの水路の土手にスッと首を伸ばして一羽きりでいましたので、クルマを運転していてふと目に入っただけですがすごく気になりました。
で、なぜかそのカワウは翌日もその翌日もそこにいるのです。ひょっとすると怪我をして動けなかったのかも知れません。
それが4日目に忽然と姿を消しました。飛べるようになってどこかへ移動したのか、このあたりにはキツネがたくさんいますからもしかすると食べられてしまったのかも知れません。自然界は弱肉強食の厳しい世界ですからそういうことはよくあることなのです。
自然の中での出来事については見守ることが基本です。このカワウに限らず、野生動物は自然のままに生きていくのが本来の姿。ですから、冷たいようですがこういう野生動物に手を差し伸べたりしてはいけないのです。もし人間が情にほだされてこのカワウを助けたら、今度はキツネが貴重な餌を食べることができなくなりますから。
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さて、このカワウを見ていてふと思い出したのが、以前に通勤途上に田んぼで見かけた飛べないカラスです。
このカラスは明らかに怪我をしていて、片羽をダラリと下げていたのですが、いつも一羽元気なカラスがそばにいて付き添っていました。ひょっとすると餌も運んでいたのかも知れません。
二羽のカラス達は一週間ほどその田んぼにいたのですが、やがて怪我をしたカラスは自力で飛べるまでに回復して、無事に群に合流していきました。私は朝夕毎日通勤しながら彼らの様子を観察していたのですが、これは実にすごいことだと感動したことを覚えています。
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更にもう一つエピソードを。これはまだ我が家の子どもたちが小さかった頃の話です。
私はクルマに子どもたちを乗せて買い物に行こうとして、交通量の多い市道を走っていました。で、運転しながら前を見ているとスズメの群がクルマのビュンビュン走る道路の真ん中でチュンチュンと大騒ぎしているではありませんか。
うわ、あれは何だ?と思ってハンドルを切って脇を通り抜けたのですが、バックミラーで確認すると、スズメたちはクルマが来るとギリギリまでどいてよけるのですが、すぐにまた危ない道路へ出てくるのです。どうやら一羽のスズメをよってたかって引っ張っているようです。
帰宅してから「あのスズメたちは何をしていたんだろう?もしかするといじめてたのかな?でもあんな危ないところでか?」とよくよく考えたのですが、やっとわかりました。あれはたぶん交通事故に遭って怪我をした仲間がいて、それをみんなで力を合わせて安全な場所まで移動させようとしていたんだ!と。
いかがでしょうか?人間を含む動物の脳の大きさはその社会性と密接に関連していて、脳が大きい動物ほど社会性があるというのが通説ですが、実はそんなことはないのではないか?と私は鳥たちの利他的行動をみていて思うのです。
今回は鳥たちの社会性について少し書いてみました。m(_ _)m
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