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健康を意識して生活しているつもり…

 自分も含めてだけど、周りを見渡せば健康を意識して生活している人は多い。ヨーグルトは体に良い。納豆は身体に良い。野菜を食べないから青汁を飲む。低糖質ダイエット。食物繊維を意識した飲み物。「○○を食べれば〜」「○○が〜△△に効果的」「これをしたらあなたも痩せられる」「何をしてもダメだった方に朗報!」

あげればキリがないですね…。

そう言う私も、これらの企業CMやキャッチに振り回された一人です(笑)キャッチ信仰を信じて「続ければOKー!」と、その商品を毎回購入するという律儀な人間でした。結果はというと、お金をかけた割には全然健康では無かったという結論に達し、以後このようなキャッチはスルー出来るようになりました。

 では、何が大切だったのか?というと、素材の視点からみたら身体に良い成分・栄養分を含みます。しかしそれを取り込む側の(身体)全てに万能なのか!?という視点で見ると『必ずしもそうでは無い』ことに気がつきました。

「良いもの」を「良いと思って食べる」が先行していて、『自分の身体のことについて何にも分かっていなかった』のです。

 振り返ると20年間、ICU看護師として勤めてきました。まさか自分が看護師を辞めるとは思ってもいなくて、ただ、年々疲れが取れなくなって「キツイ〜〜」と泣きたくなることもありましたが、持ち前の気力で乗り越えてきた後半の10年間。その間に身体からたくさんの悲鳴が聞こえていました。仕事場は毎日戦場で、残業は普通。ひどい時には夜勤が超絶多忙で雑務もできず記録も一切書けなくて、日勤者に引き継いで全ての残務を終えたら、24時間病院にいた…という日もありました。(歴代の忙しさでした) 

 疲れが取れない…が最初の悲鳴。そして思考が常にグルグル…。もともと寝付きが悪かったのがさらに寝付けなくなったり、反対に夜勤明けなどは15時間くらい寝ていたり…。もうめちゃくちゃな生活環境。幸いなことに食欲には困らなかったのですが、食べ過ぎで食後の眠気に悩まされる状態。乗り物酔いは子供の頃からでしたが、成人になって一旦は治ったと思ったら、今度は回転性の目眩に襲われるという始末。最終的には目眩が原因で辞めたのですが、目眩って本当に辛いです。

 若い頃から健康意識はあったので、その頃実践していたのが「ヨーグルトを毎日250g食べる」「ドライフルーツを毎日食べる」「主食は玄米」でしたね。後はサプリメントを飲んだり。青汁飲んだり。ジューサーを買って生野菜ジュースを飲んだりもしたし…世の中のブームに乗っていろんなことをしていました!

 でもね、結局どれもこれも わたしの身体にとっては悪影響にしかならなかったわけですが、その原因・要因がきちんと説明できるのが中医学であり薬膳になります。そして、一人一人の体調を診て漢方を処方できるのが中医師であり、オーダーメイドのお料理を提供できるのが薬膳になります。

 人間の身体は、誰一人として同じ要素を持つ身体はありません。この世の中に生まれ出た瞬間から違います。母乳を与える母親の体質が違うのと同様、育った環境や食べてきた物によっても変わる。生活環境のストレスや仕事のストレスにも影響を受けます。持って生まれた病気もあれば、人生の途中で発症する病気や事故によっても変化します。生きている限り、常に変化しています。それは私たちが普段口にしている動植物も同じです。

 『身体に良い』ことだけにフォーカスしてそれだけを食べ続けると必ず体調を崩します。良くなることを信じて闇雲に良いことだけを実践するのも危険です。何を持って「健康」とするかは個々の価値観になってしまいますが、まずは『自分自身の身体を知ること』だと、たくさんの患者さんを看てきて、自分で不調を体験して感じました。良いものを取り続けても改善しない・できない要因が、それ以外にあるからです。それが『その人の体質』であったり『体調』です。自分自身の身体のことを無視しては語れない…。壮大なストーリーになりそうですね(笑)

 全てはバランス・中庸です。 食べること、生活すること、仕事、休息、人間関係など、全体を通して自分が一番心地よいと思われるところを一つずつ増やしながら生きれたら、最高ですよね!

 良いとか悪いとか、黒か白か、二択から選択しなければならなかった時代は終わりました。これからは、バランス・中庸を意識して、どれだけ自分がそこに近づけるか…を楽しみながらお互いが協力しあって生きていく時代です。

 ヒトの身体は万能ですので、自分の身体を信じてみてくださいね。自分の身体の声に正直に答えてあげると、身体も元気になっていきます。季節によって起こる不調はあって当たり前なのですが、その不調の声を無視して働くので病気に傾いていきます。「不調なら休む!!」が言える自分になりましょう。

 不調な時に実践する養生法は、身体に必要なお薬です。

たくさんの方の体調が、自分らしい良い体調へと向いて行きますように。 

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『ほのぼのやくぜん』
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