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抗原検査キット

夜中、のどの痛みで目が覚める。唾を飲み込むのが痛い。
熱を測ると36.2度。倦怠感も咳もなく、ただひたすらのどだけ痛い。
第7波の時、咽頭痛だけなのにコロナだったって話をよく聞いたから、不安がよぎった。こんな時はどうすればいいんだろう、とスマホで調べていたらいつの間にかまた寝てしまった。でも起きた時も、のどは痛いままだった。
幸い仕事も、母のデイサービスも休みの日だったので、ゆっくり病院探しをした。

コロナ前なら病院になんか行こうとも思わないような症状である。しかしなんせ高齢者施設で働き、高齢者と暮らしている身だ。ただの風邪だという証明が絶対必要なのだ。

健康な私は、いわゆるかかりつけ医がいない。熱もないので発熱外来とも違う気がするし、都や市が発信してるフローチャートはあいかわらずわかりづらい。とりあえず近場の検査してくれそうなクリニックに直接電話をかけ、検査をしてくれるか聞いてみた。すると
「熱がないなら検査はできないから、薬局で抗原検査キットを買って、自分で検査をしてください。陰性だったら診察します。陽性だったら登録センターに登録を」ということだった。
はあ~ん、今はそういうルールなんだな、と思った。
ということで、今度は近所の薬局に電話をかけ、抗原検査キットの在庫を確認し、購入しに行くことにした。1つ1600円だという。
ここではたと「そういえば東京都が無料で配るとかいう話なかったっけ?」と思い出す。調べると無料で送付するサービスが確かにあった。ただし、早くても届くのは翌日だ。翌日では遅い。遅いが、念のため頼むだけ頼んでおこう。あーあ、もっと早くに備えておくべきだったと後悔する。今日やる分は仕方なく薬局へ買いに走った。
そうしている間にのどの痛みは少し弱くなってきていて、体はいつもより軽く感じるくらい元気だった。

薬局ではただ買うのではなく、名前や連絡先、何で買うのか等色々聞かれた。「検査してから来てくださいって言われたんで」って言ったら「え、診てもくれないんですか」となぜか笑われた。まったくもって何が正しいのかわからない。

家に帰り、早速検査する。実は抗原検査とPCRは職場で毎週やっているので慣れたもんである。今回はいつも以上に念入りに鼻の奥をゴリゴリやった。
結果は陰性だった。
それさえ判ればいいので、病院には行かないことにして市販の薬を飲んだ。これ以上の症状が出ないことを祈りながら。

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