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0708_結局は

 今日、朝起きると、起床予定通りの時間であった。

 昨日は、寝坊した。遅刻ではないので許される。けれど私の中では寝坊であり、遅刻であるために、気分は最悪である。昨日のこと。

「そもそも別に早く起きる必要ないんじゃないの」

 会社について朝の挨拶の流れで、私の朝イチを少し愚痴って同僚に伝えると、そう返された。

「いや、まぁそうなんだけどさ。例えば今日の仕事の段取りとかちょっと心配事やらの頭の整理をね、したくて」

 私は、朝から早くも頭の中がこんがらがっていることを嫌だなぁと感じながら言う。起きれない毎日はいつもこの嫌な感じがある。

「したいだけで、しなきゃならないことではないんでしょ」

 同僚は既に何かの資料作成に取り掛かっており、スタートダッシュで早くも私は遅れを取っている。

「うん、でも、早起きしてその時間に終わらせてしまえばあとはスムーズに回ると思うんだよね」

 私がやっと今日の仕事に手を付け始めると、同僚は手を止めて私の方を見る。

「回ると思うだけで本当にスムーズにいくかはわからないよ。それに、スムーズだろうが何だろうが、今は早起きしなくても一応回ってるんだよ。別に遅刻もしてないし」

 それを告げると、くるっとまたディスプレイに顔を向けた。

 いや、ごもっともだなぁと思う。別に起きれなくても、気分こそ最悪だと思っているが、仕事やその他は何とか回っている。これで大遅刻でもしたならば、もしかしたらいよいよ本気で、早起きをしようと体が思ってくれるかもしれないが、そんなリスクはおかしたくない。

「案外、起きようと思わなければすんなり起きれたりするものよ」

 同僚が席を立ち、コピーを取りに向かいがてら、さらっと口にした。
 そういうものかしらん、とか思って私はその日、やっとこさ仕事に集中し始めた。

 で、今朝、なんともすんなり予定通りの時刻に起きれたのである。絶対に起きよう!とは思わなかったからだろう。これまでの思い詰めは一体なんだったのか。もちろんこの状態がちゃんと習慣になるよう続けなくてはと思っているが、とりあえず、起きられた。

 しかしながら困った。

 予定していたことをやる気がまったく起きないでいる。結局、なにしようかなーとか思いながら、再び眠りについた、朝。

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