見出し画像

1108_私は何者

【140字小説】
あなたは誰かと問われた時に答えられることが一つもない。電車で揺られてふと気づき、愕然とする。私は〇〇です、の〇〇が浮かばない。仕事も趣味のテニスや映画鑑賞もあるけれど、どれも私の代名詞ではない。うんうん唸りながらも、目の前のコンクール締切間近の油絵を完成させた。私は何者でもない。

いいなと思ったら応援しよう!