“お祭りは、見るんじゃなくてやるもんなんですよ。誰かが用意した舞台の中で感動するよりも、自分が運営する側に回った方が、ワクワクするんですよね”
31.高橋龍 / プランナー・ヴィンテージTシャツ専門店オーナー
プロジェクトベースで企業の新しい事業開発の支援をマーケティングや企画の側面から行う傍、カルチャーの香り漂うヴィンテージTシャツの専門店 『anytee』を店舗を持たずに運営する高橋龍さん。
「個性ある個人が活躍する」社会実現のために、さまざまな「仕掛け」を作っている彼の創造力の源泉や大切にしていることを伺いました。
■高橋龍(タカハシ リュウ)
プランナー、ヴィンテージTシャツ専門店オーナー。
株式会社リクルートを退社後、スモールビジネスや個性ある個人の活動を事業支援するために独立。
現在は『ヘラルボニー』など複数の企業に企画・マーケティングの側面から参画しつつ、映画、音楽、アートなど、カルチャーの香り漂うヴィンテージTシャツの専門ショップ『anytee』を運営する。
その他、『NEO東京夜市』という一点もののみを集めたナイトマーケットを不定期で主催している。
Instagram: @anyteeshop
_今の仕事を始めたきっかけは?
僕はもともとリクルートで、仕事をする楽しさと商売を創る楽しさを教えてもらったんです。
でも大きな会社からでは手伝えない小さな規模感や個人の応援が好きでした。だからそこを手伝いたくて独立しました。
今、僕は自分の仕事内容をA面とB面っていう言い方をしています。
A面は割とビジネス寄りの仕事です。
マーケティングと企画が僕の専門なので、新しい事業開発の支援を、大手企業から"ヘラルボニー"のようなスタートアップまで数社と契約して、プロジェクトベースで活動しています。
で、B面はカルチャー寄りの仕事ですね。
『anytee』っていう映画・音楽・アートなど、カルチャーの香りが漂うビンテージTシャツの専門店を、お店を構えず、SNSを中心としたオンラインとポップアップを中心にやっています。
最近は映画とコラボして、公式のTシャツをヴィンテージをサンプリングしながら作ったりもしています。
_発想やクリエイティビティの源泉は?
僕の発想やアイディアは、何かを解決するためにある。
目的とリソースの組み合わせでアイディアを出しています。
で、リソースには2パターンある。
ひとつは情報。そしてもうひとつは人脈。
情報のリソースはやっぱりどれだけいいものを観ているか。面白いものだったり、どこがどんなサービス展開をしているとかを常にインプットしています。
その得た情報と自分の人脈を組み合わせた時に、面白いものは生みだせます。
僕は自分がクリエイターじゃないことを認識しています。根っからのプランナー。情報と人の編集者という感じです。
_憧れや尊敬している人、あるいはロールモデルにしている人はいますか?
尊敬する経営者が 3人。
京セラの稲盛和夫さんと、パナソニックの松下幸之助さん、それからリクルートの江副浩正さん。
_ 働く中で、あるいは生きてる中で大切にしているキーワードを教えてください
稲盛さんの「動機は善か」っていう言葉です。ここで言う「善」は何かというと、誰かの何かに貢献できているかということ。
だから僕は何かを始める時は、必ず誰かの役に立つかで判断しています。
_影響を受けたアドバイスや言葉はありますか?
「キャラクターで仕事をするな」って、1社めのときに隣の席の先輩に言われたことですね。
「仕事の基礎能力を使わずに人柄だけでやっちゃうと、一緒に仕事をできるタイプの相手が限られちゃうから、原理原則を大切に、きちんと仕事を進めろ」って。それはすごくよかった。
自分がどうしたいかの前に、相手が何をやりたいか、何に困っているかをちゃんと聞いてあげて仕事をしていくことが大切だと教わりました。
僕は割と本音でズバって言うようにしてるんですけど、そこを押さえていれば、結局それがお互いのためになるし、人としての繋がりも深まるんだって、学びましたね。
__意見の合わない人とはどうやって仕事をされますか
意見が合わない理由ってたぶん2つある。
ひとつは利害が合わないケース。そして利害が一致しても進め方、アプローチが合わないケース。
例えば飲食店で「この美味しい料理を人に届けたい」って利害は一致していても、揉めたりするじゃないですか。それは仕事の進め方が違うからなんですよ。
だから、質問の答えで言うと、僕は利害の合わない人とは無理に仕事しない。
ただし、利害が一致していて進め方が違う場合は、できる限り自分が我慢します。
そこはもう一生続くテーマだなぁ。
合う、合わないは。
やっぱり、人間っていうのはそこを分けて考えないといけないと思います。
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