短かった舌小帯を切ったら吃音が治った!私と子供達の体験談
吃音に関しては様々な理由があると言われています。
精神的なものから、遺伝的なものまでいろいろあるそうで原因が分からないことも多いそう。
私の場合はたまたま舌小帯を切ったら治ったのですが、それは吃音の原因が単に物理的なものだったからです。
今回はあくまで私と子供2人の体験談ということで、1つのケースとして読んで頂ければと思います。
吃音は舌小帯が短かった為(舌小帯短縮症)
私が舌小帯を切ってもらうまで
舌小帯というのは、舌と顎を繋いでいるこの筋のこと。
*下手な絵でスミマセン
舌を上に上げるとその筋がピーンと伸びますよね。
私は生まれつきこの筋が短かったため、舌を自由に動かせない状態でした。
舌を出そうとしても、舌小帯に引っ張られてハート型になってしまいます。
子供の頃から、
自分が話すとよくどもるなぁ・・
滑舌が悪い
人からよく聞き返される
親からは「ハッキリ話しなさい」と言われる
という状態でしたが、それが舌小帯が原因かも・・と気が付いたのは高校生の頃でした。
近くの耳鼻科に行ってみると(なぜ耳鼻科だったんだろ?)
「アナウンサーになる訳じゃないんだから、少しくらい大丈夫だ。」
と言われ、泣く泣くそのまま帰宅したのを覚えています。
ただし、自分としてはどうしても諦めきれなかったので、さらに都内の大学病院の口腔外科に出向きました。
そこでは「あ、本当だ~」と若い医師がその場で切ってくれました。
割とべったり付いていたらしく、しっかり手術台に乗り麻酔をかけ、パチンパチンかなり切ってもらったのを覚えています。
「たったこれだけの事だったのかぁ・・」と、なんとなく拍子抜けした感もありました。
その後の舌トレーニング
ついに切って貰った時は、これで普通に話せるぞ~!と、めちゃめちゃ嬉しかったのを覚えてます。
ただ、自分でも分かっていました。
長年、この短い舌で話す習慣が付いているので、舌の運動機能が大幅に狭められていることに。
せっかく切って解放された舌も、大きく動かすトレーニングをしなければ改善には時間がかかりそうでした。
ということで、私がしたのはトレーニングは、
洋楽に合わせて歌う!
というもの。
歌はなんでもいいと思いますが、私は当時大好きだったビートルズの曲を歌詞を見ながら歌いまくりました。
洋楽がトレーニングにいい理由
舌をしっかり動かさないと英語の正しい発音にならない
歌のテンポに合わせるためにはスピード感が必要(英語の歌はかなり速い!)
例えばLの発音は上の歯の後ろに一瞬触れないと発音できないし、Thの発音は舌を少し歯の間から出さないといけません。
日本語よりもずっと舌を大きく動かす必要があります。
始めは正しい発音に近づくよう、ひたすら音に集中しますが、そうするとテンポが遅れていきます。
でも、トレーニングし続けてると舌の動きがよくなって次第にスピードにも追いつけるように。
この時は嬉しかったですね~。
ずっと思うように歌えなかったのが、気持ちよく曲に合うようになったのですから。
吃音も次第に消えていった記憶があります。
(ただ、このトレーニング法は中高生以上でないと難しいかもしれませんね。)
子供2人も舌小帯が短かった!
上の子の場合
夫は普通に舌が長く、ぴろ~んと出ます。
なので子供も自分に似て短いと知った時には驚きました。こんなところまで遺伝するのか・・と。
まず上の子ですが、発音には問題がなかったものの、昔から舌が下の歯の後ろについていて、いつも「お口ポカンさん」になってしまうのが悩みでした。
舌を出させてもハート型にはならなかったので安心していたのですが、歯医者に連れて行き相談すると、「ちょっと舌小帯が短いかな~。上に上げた時にキツそうだ。」と、切ってもらうことになったのです。
当時7歳だったので、「うわ~、痛そう!可哀そう」と瞬間的に思いましたが、実際の施術はレーザーを使ったもので、痛みもほぼなし。
痛み止めを打って、ジ~~~と焼く感じで切るので、血も全く出ないし術後も痛そうな素振りはありませんでした。
残念ながら、舌の定位置についてはまだ改善してはいませんが、とりあえずはホッとしました。
下の子の場合
下の子供に関しては、なんと生後1か月の赤ちゃん検診で見つけて頂きました!
健診代に乗せた時、ビエ~ン!!!と大口をあけて泣いていたのがラッキーでした。
「あれ、くっついてるなぁ~」とご年配の医師が気が付いてくださったのです。
私も見ましたが、下の子は上の子よりもずっと短く、かなり先端までくっついている状態でした。
「これじゃ、フレンチキスができないね。」
「どうします?今切っちゃえば、痛み止めも何にも要らないよ。パチンと切って終わりだから。」と聞かれ、
「ぜひ、お願いします!!」
と、即答しました!
まだビエ~ンと泣いていたので、そのまま開いている口に小さなハサミを入れて、1回だけパチンで終了。
2秒もかかりませんでした。
もちろんその時はさらに大声で泣きましたが、抱っこしてあやしているとすぐに収まりました。
「よかったね~。この後、幼児の段階で切ろうと思ったら大変だからね。全身麻酔して・・って大変なことになるよ。」
とのことでした。
実際、知り合いにお子さんが舌小帯が短いせいでなかなかお喋りが上手にできないと悩んでいるお母さんがいます。
医師に相談しても、「まだ4歳なので全身麻酔をしても危険がない年齢まで待とう」と言われているそうです。
お母さんは、「それまでにお喋りが苦手でトラウマになってしまうのでは・・」とかなり心配されてますが、そういう意味でも赤ちゃん健診で切って頂けたのは有難い幸運だったとしか言いようがありません。
【追記】
その後保育園の年長さんになると、少し発音が悪いことが気になりだしました。
カキクケコが、全部タチツテトになってしまい「ママ来て~。」が「ママちて~。」に。
赤ちゃんぽくて可愛いので全然気にしていなかったのと、そのうち自然に治るだろう・・と楽観的に考えていたのですが、保育園の先生に指摘されて「そういえば・・」と気が付きました。
「発音教室に行かれてはどうですか?」
と提案して頂いたのですが、私はやはり舌が原因だろうと思い当たったので、事情を説明してもう少し時間を頂くことにしました。
「赤ちゃんの時に切って頂いたのがまだ不十分なのだと思います。そのうちしっかり切ってもらいますので・・。」と・・。
でも、毎回舌の説明をした時に共通して言われるのがこのセリフですね。
「それでも発音の練習をしないと同じですよ。」
これ、必ず言われます。
次女はその後、小学校入学のための健康診断に行った際にも「発音が少しおかしくないですか?」と指摘されてしまったので、本人に説明して聞いてみることにしました。
「まだちょっと早いけど、どうする?切ってみる?」と・・。
6歳なので、まだ早いのですが、それでも切ったほうがいいかなと思ったのは、本人がすごくそれを悩んでいるからでした。
保育園のお友達にからかわれるたびに、「アタシなんでちゃんと言えないんだろ・・」と家で落ち込んでいたんです。
すると、「分かった。切る。」と、本人がその気になったので、歯医者さんに行ってお願いすることに。
「まだ早いんじゃないですか?」
「カキクケコは関係ないですよ。普通短い子が言えないのはラリルレロですよ。」
「切っても舌の練習をしないと意味ないですよ。」
などと言われましたが、それでもお願いすることに。
見て頂いてもやはり短いのが分かりましたし、上に舌を持ち上げると「痛い」と訴えます。
レーザーで切って頂いた時はすぐに終わりました。本人も覚悟を決めていただけあってなんとか頑張ることができました。
その日はさすがに痛がりましたが、すぐに収まったようで、2,3日すると自分から「かきくけこ」と練習をするように。
そして、何度か繰り返しただけで、「カキクケコ」と言えるようになりました。
本人が意識している時ではないと綺麗な発音にはならないものの、それでも今まであれだけ頑張ってでも出ないかった発音が出るようになったことに本人が一番喜んでいるようでした。
もしお子さんの発音が曖昧だったり吃音がある場合は、舌小帯チェックを
「ベロを出してみて~!」とベーとさせて、ハート型になっていたり、口から舌が出ないようでしたら一度先生に見せた方がいいかもしれません。
吃音や滑舌の悪さは、経験した本人でなければ分からない辛さがあります。
もしも舌小帯が原因ならば、できるだけ早い時期に気付いてあげれると安心ですね。
繰り返しますが、吃音の原因は様々で、今回書かせて頂いた舌小帯以外の要素が原因で引き起こしていることも多々あると思います。
ただ、こんな一例もあるということで参考にしていただければ幸いです。
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