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アソーテッド・クッキー/ラング・ド・シャ ミュージアム

ファンタジア アソーテッド・クッキー

収集年:2024

購入場所:東京ディズニーシー

形:正方形型

内容量:18個

価格:2,100円(購入当時)

製造所:株式会社ヨックモッククレア

販売者:株式会社オリエンタルランド

特徴:
魔法使いの弟子コスチュームをまとったミッキーマウスがパッケージデザインに採用されたアソーテッド・クッキーである。内容は、チョコレートサンドクッキー9枚とホワイトチョコレートサンドココアクッキー9枚で構成され、多彩な味わいが楽しめる仕様となっている。デザインはディズニー作品『ファンタジア』の象徴的なキャラクターを基調にし、華やかさと親しみやすさが融合している。内容物は個別包装され、保存性と衛生面にも配慮がなされている。ギフトとしての適性が高く、包装の芸術性と共に食べる喜びを提供する一品である。


月夜の菓子

山々に囲まれた静かな村。その中心に建つ古びた神社の鐘の音が夜の闇に響き渡る。16歳の少女サエは、村の端にある古い家で父と二人で暮らしていた。母親を幼い頃に亡くした彼女にとって、父親との生活は穏やかだが、どこか寂しいものだった。

ある夜、サエは不思議な夢を見る。夢の中、月明かりに照らされた小道を歩いていると、木々の間にぽつんと現れた茶屋が目に入った。そこには薄暗い提灯が灯り、店先には一人の老婆が座っている。老婆は彼女に微笑みかけながら、そっと声をかけた。

「よく来たね、お嬢さん。このお茶を飲んでごらん。過去の記憶が味わえるよ。」

老婆が差し出したのは、一見普通のお茶と、青い缶に入ったクッキーだった。しかし、お茶を一口飲み、クッキーを一つ口に含むと、幼い頃の記憶が鮮明によみがえった。母親の優しい声、暖かな手の感触。だが、同時に、それらが二度と戻らないものであることを痛感した。

目が覚めたサエは、夢とは思えないほど鮮明な記憶に戸惑いながらも、その日も日常を送った。だが、その夜から夢は繰り返し彼女のもとを訪れ、茶屋と老婆が必ず登場するようになった。

夢の中での体験は次第に現実に影響を及ぼし始めた。ある日、サエは夢で見た茶屋が村の奥の山道に実在していることに気づく。そこに足を運ぶと、現実の茶屋は朽ち果てた姿で、誰も住んでいないようだった。しかし、夢で見た提灯の跡や、老婆が座っていた椅子だけはそのまま残されていた。

サエは父親にその場所について尋ねた。父親は最初は答えをはぐらかしたが、しばらくして重い口を開いた。

「昔、この村には罪があった。多くの人々を犠牲にして、村が生き延びた過去だ。それを封じるために、茶屋が建てられたと聞いている。」

父の言葉に動揺しながらも、サエは真実を知りたいという思いに駆られる。夢の中の老婆に問いただすと、彼女は静かに語り始めた。

「この村の人々は自分たちを守るために他者を犠牲にした。その記憶を封じ込めたのがこの茶屋だよ。お嬢さん、あなたが見た夢は、その記憶そのものだ。」

サエはすべてを理解したとき、胸に重い悲しみが広がった。彼女は茶屋をそっと見つめ、涙を流しながら山を後にした。その夜、夢は消え去り、彼女のもとに再び訪れることはなかった。

日常に戻ったサエの部屋には、茶屋の提灯の欠片が残されていた。それを見るたびに、彼女は村の過去と、自分が抱えた秘密を思い出す。その欠片は小さくとも、夢の中で見た情景が焼き付いているかのようだった。

物語はここで幕を閉じるが、サエの心には、淡い悲しみとともに、過去と未来を見つめる力が宿ったのである。

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