ジムネット
いのちをつなぐチョコ募金の申し込みが11月25日から始まる。
イラク戦争をきっかけに2004年に発足したもので、イラクやシリアの子供達の絵をチョコ缶に活かしたチョコ募金を行っている。
子供達は、白血病と診断されて厳しい治療を受けていたり、がんの一種である肉腫と闘っている。
鎌田實医師が顧問をするJIM-NETは、イラクの小児がん患者の支援や、シリア難民、イラク国内避難民への緊急医療支援などに取り組んでいる。
国内では福島の子供達への支援も行った。
数年前に私も募金のつもりでこのチョコを買い、親しい友人達に送った。
チョコ缶は4つで1セットになっているので、誰にどの絵の缶をあげようかと考えて、うにゃさんに空色の地色に可愛い絵柄の缶を、光代さんにオレンジ色の花が描かれた缶を、みーさんにキンポウゲに似た黄色い花の絵の缶を送った。
缶の中には六花亭のチョコレートが入っている。
ハート型のセミスイートチョコ、ミルクチョコ、ホワイトチョコがそれぞれ2枚ずつ。
チョコレートを食べてしまった缶はピルケースとしても使える。
光代さんは70歳になった記念に、仕事(社長業)を息子に譲ってイギリスに語学留学した。
最初は半年のつもりで行ったが、もう半年延長したとか言っていた。
光代さんはこのチョコ缶をピルケースとして使い、語学留学にも持っていったそうだ。
私は余った缶のチョコレートを自分が食べて、ピルケースは別に持っているので、何に使うでもなくとっておいたが、今回の入院時にビオフェルミンを入れて持っていった。
1日3回3錠ずつ飲むのでかなりの量になり、普通のピルケースでは間に合わない。
このチョコ缶はサイズが大きいので丁度良かったが、入院中は持っていったいつも飲んでいる薬や、サプリの類は飲まないように言われていたので、結局飲まずに持ち帰ってきた。
JIM-NETの顧問の鎌田實先生は、2011年に「アハメドくんの命のリレー」という本を集英社から出した。
それには、イスラエル兵に銃で撃たれて脳死状態になった12歳のパレスチナの少年の心臓を、少年のお父さんが、イスラエルの少女に移植することを承諾した話が書かれている。
鎌田先生がガザのお父さんを訪ねて、「息子さんの心臓をよくあげられましたね」と言うと、お父さんはこう答えた。
「海で溺れている人間がいたら、泳げる人間は海に飛び込む。その時にあなたの宗教は何? 国はどこか? とは聞かない。困っている人がいた時に、宗教が同じだったり、国が同じだったら助けるというのではない。自分は人間として当たり前のことをしただけです」
鎌田先生は少年のお父さんを連れて、イスラエルの少女に会いに行った。
イスラエル兵に銃で脅されながらの旅。
少女の家の玄関に入ると、少女が真っ先に駆け寄ってきた。
少年のお父さんは少女を抱きしめた。
「嬉しい! まるで息子が生きているみたいだ」
12歳の少年の心臓が、12歳の少女の身体の中で動いていた。
パレスチナの少年の心臓をもらったイスラエルの少女は、立ち上がることも、歩くことも、学校に行くこともできなかったのに、学校に行けるようになっていたのだった。
以下は鎌田先生の言葉。
2016年にトランプがアメリカの大統領になった時から、アメリカ大使館をエルサレムに移したり、圧倒的にイスラエル贔屓になり、パレスチナとイスラエルのバランスは崩れました。
今大切なのは、お互いの大変さを知ることです。
第二次世界大戦の時、ユダヤ人はとても大変だったよね。
ユダヤ人が行くところがなかった時に、パレスチナにイスラエルを建国するようになり、そのために土地や家を追い出されたパレスチナ人に申し訳なかった。パレスチナの人たちも大変だったよね。
お互いの大変さを分かり合うところからしか平和はやってこないのではないかと思っています。
チョコ募金は今年も13万個。小さなNPOにとってはとても大変な数字です。
北海道の六花亭の安全で美味しいチョコレート。
缶はイラクやシリアのがんや血液の病気で治療中の子どもたちの絵が使われています。
JIM-NETが、中東に平和が来るように活動していくためには、チョコ募金が活動資金になります。
是非、たくさんの人にお声を掛けていただけると有り難いです。
みなさんの応援をどうぞよろしくお願いいたします。