自由が丘散歩(アンヌの気まま通信より)
ゴールデンウィーク2日目のお昼どき、アンナミラーズの店内はお客で埋まっていました。
サンドイッチを注文してから、アヤコさんに見せるために、今し方買ってきた花のカードを取り出しました。
ずっと前から約束していた「自由が丘散歩」の日、アヤコさんと自由が丘へやってきて、まずバードショップに入りました。
私はハーブエッセンスのテスターをいくつか試し、アヤコさんは鳥の形の箸置きを買いました、
それから、前に見つけて気になっていた、レストランのような山小屋ふうの建物に入ってみると、そこはレストランではなくて、ヨーロッパの本物のアンティークやファブリックのお店でした。
そこは見るだけで出て、ダヤンに会いに「わちふぃーるど」へ。
アヤコさんはダヤンと仲良しのうさぎのマーシィのファンです。
私は欲しかった猫耳を見つけて、早速頭につけてみました。
猫の耳の形にした革にトラ猫のようなシマ模様を描き、内側にはふかふかの毛皮(フェイクファー)を貼り付けてあって、ヘアバンドのように頭につけられるのです。
ハロウィーン用に買いました。
「わちふぃーるど」の向かいのランプ屋さんにも入ってみました。
ここは手作りの凝ったライプがメインですが、アンティークの置物やアクセサリーも置いてあります。
この店で、アヤコさんは対になった陶器のうさぎを見つけ、私はセットの花のカードを見つけたのでした。
「やっぱり何かしら買っちゃうわね」
と言いながら、お昼を食べにブティック街のアンナミラーズへ。
帆布でできた天井からは柔らかい光が降り注ぎ、窓越しにコンテナの春の花を眺めながら、おいしいサンドイッチをいただきました。
からりと晴れ上がり、爽やかでのんびりした休日。
「あぁ、気持ちがいい」を連発するアヤコさんは、ここのところ残業続きの毎日でした。
私の毎日は、比較的いつもこんなふうにのんびりしています。
「昼と夜は時計を見ながら食べることが多いけど、朝はゆっくり、1時間ぐらいかけて食べる」
と言うと、
「それは最高の贅沢じゃないですか」
と、アヤコさん。
私もそう思います。
日々の暮らしの中で、のんびり朝食をとることと、ゆったりお風呂に入ること。
これはお金に代えられない贅沢ではないでしょうか。
アンナミラーズの入り口には、植木市のように春の花や草の鉢植えが並べてありました。
「うさぎのしっぽ」という名前の草は、小さな丸い穂をつけたビロードのような手触りの草です。
買っちゃおうかな、と手に取ってみたのですが、この日の散歩はまだ先が長いのでやめました。
服を売っている店のほかには、ハーブや石鹸や植木鉢や色ガラスの小瓶や籐のカゴなどを売っている店が多くて、他の町にあったらちょっと変わったお店に見えるかもしれないけれど、ここではどの店も個性がなく見えてしまいます。
ローラアシュレイのショウウィンドウにディスプレイされていた草花の寄せ植えに、さっき見た「うさぎのしっぽ」もありました。
それだけ見たらいかにも雑草という感じですが、ほかの草花と一緒に植わっていると素敵でした。
自由が丘の駅の向こう側に行ったら、遊歩道で大きなゴールデンレトリバーと、ウェルシュ・コーギーというのでしょうか、明るい茶色と白で足の短い犬が、小さなダックスフントの赤ちゃんと仲良くしたがっているところに出くわしました。
ダックスはお友達になりたいけれど、相手があまりに大きいので戸惑っている様子。
コーギーはもっと近くに寄って一緒に遊びたい様子。
大きなレトリバーは優しい表情で眺めています。
しばらくすると、ダックスが勇気を奮って大きい犬たちに近づいてきました。
大きい犬の飼い主はコーギーの手綱を引いて遠ざけましたが、レトリバーはダックスと鼻をくっつけてご挨拶。
大きい方が口を開けたら、そのまますっぽり入ってしまいそうなダックスですが、2匹とも尻尾を振っているので、相手が気に入ったのでしょう。
コーギーも遊びたそうでしたが、飼い主によれば、彼は相手が小さいことを考えないから、ということでした。
私は大きなレトリバーを撫でさせてもらって大満足。
外で大きな犬に出会って触ったりすると、1日中いい気分です。
犬たちと別れ、お店を覗きながら駅の周りを1周して、ダンキンドーナッツでひと休み。
冷たいカフェオレを飲みながら、かなり長い間お喋りしました。
アヤコさんとはいつも音楽の話題を中心に話が弾みます。
ずいぶん日が長くなって、夕暮れの時の進み方もゆっくりです。
太陽が沈んでから暗くなるまでの間、澄んだ光の中で木々の緑の美しいこと。
芽吹いたばかりの、若い、さわやかな緑です。
私たちがうちに着くと、猫たちが長い昼寝から目を覚ましました。
猫たちにとっても平和な1日だったようです。(1996年 連休号より)
※ヘッダーの写真は花のカードが入っていた箱。