その後の私の仕事
製品に関しては、出荷担当の私が出荷前テストをすることになり、サーバにモジュールを入れて動作確認してから出荷用のCDを作って送った。
まず、検証環境のTomcat(この頃はJBOSSではなくTomcatを使うようになっていた)を停止し、指定されたディレクトリを開いてモジュールを入れる。
モジュールはいくつもあり、ものによっては入れる場所が違った。
モジュールをすべて入れたら、再びTomcatを起動し、自分の携帯端末で動作確認する。
Tomcatを止めるのも起動するのもコマンドを打つのだが、私は技術者に教えてもらったものをメモ帳に記録して、毎回それをコピペしていた。
こうした作業は自分でやってみて初めてどんなものかわかるので、マニュアルを書く上でも役立った。
マニュアルはユーザ操作マニュアルと管理者マニュアルだけでなく、インストールマニュアルもあったから。
また、製品の修正版が出たときにはマニュアルも修正する必要があった。
出荷用の検証環境とは別にマニュアル用の環境も用意してもらって、動作確認しながら、スクリーンショットを撮りながら、マニュアルを書いていった。
その後、製品もバージョンアップして、お客さんが自分でサーバにモジュールをインストールできるようなものになったり、スマホが出てからは携帯版の他にスマホ版も開発した。
10年ほど前にはクラウド版のサービスを開始し、お客さんのサーバにモジュールを入れるのではなく、こちらでクラウド上にお客さんのサーバを立てて管理するようになった。
端末のアプリからクラウド上のサーバを経由してお客さんの社内システムに接続するのは従来と同様だが、端末も携帯ではなくスマホやタブレットになり、AndroidならPlayストアから、iOSなら App Storeからアプリをインストールするようになった。
現在はOSのバージョンアップに合わせて、対応するアプリを開発しなくてはならないので、OSの新バージョンの開発者向けベータ版が出る都度、テスター(テスト担当者)が検証している。
テスターと言っても、サーバ側の設定を変更したり、開発担当者とのやり取りが発生するので、素人にできるような仕事ではない。技術的な知識が必要な専門職だ。
お客さんから障害の問い合わせがあり、端末で事象を再現して調査するときなど、ログ解析専門の技術者が手一杯のときは、私も会社の検証端末で動作確認したり、調査のために再現テストをする。
再現できたら端末のログを取って、技術者に送って解析してもらう。
技術者から障害の調査結果と回答案をもらったら、技術者の書く文章はわかりにくいので、お客さんにわかりやすいように文章を修正して回答を作る。
技術者の書いてきたことがわからないときは、本人にメールやGoogle Meet(Zoomのようなもの)でヒアリングして、自分が理解できてから書き直す。
自分が読んでわからないことを、そのままお客さんに伝えたりしない。
Aさんの回答を丸ごとコピペしてお客さんに返していた頃とは違う。
私は書くことが好きだから、こういう作業は楽しい。
テストを手伝ったお陰で、iPhoneでもiPadでもAndroidスマホでもタブレットでも、端末は何でも使えるようになった。
使ってみるとiPadはiMacより起動が早くて便利だとわかったので、自分のiMacが古くなって買い替えが必要になったとき、iMacではなく iPadを買った。
スマホはauが携帯をサポートしなくなったときにiPhoneに機種変した。
私の他にもう1人いるサポート担当者は、元々はプログラマーで、開発の下請けをしていた他社にいた人だが、今はこちらの社員となって、主に障害時のログ解析と調査を専門にしている。
彼は地方在住なので、入社以来ずっとテレワークをしていて、忘年会などで東京に来た折に会ったことはあるが、通常はMeetでつないで会話している。
私もコロナ以来テレワークをしていて会社には行っていない。
家で仕事をする方が楽だが、駅の階段の上がり下りなど、通勤が足のリハビリになっていたので、今は仕事前に近所を散歩するようにしている。
今年の12月で勤続17年になる。
振り返れば、それはそれはいろいろなことがあった。
元々会社勤めは苦手で、過去に3年間勤めた会社も会社組織に馴染めずに辞めた。
それがこの会社では17年も続いているのは、この仕事が好きなのと、小さくて風通しの良い会社だからだと思う。
この先も、もう少し働けたらいいなと思っている。
会社の話はもう少し続きます。次回は社長のパワハラ時代について。
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