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高校時代の思い出(2) 体育祭
私たちの世代は軽免(軽自動車免許)が取れる最後の世代で、16歳の誕生日を迎えた男子の何人かは軽免を取って、軽自動車で通学していた。
校庭の脇のフェンスに沿って、教職員の乗ってきた普通自動車と、生徒の乗ってきた軽自動車がずらっと並んでいた。
軽はホンダのN3(N360)だったが、家業が牛乳屋のOBくんは、朝登校する前に牛乳配達をしてくるそうで、配達に使う軽トラックで通学していた。
Yくんは在学中に18歳を迎えると、いち早く普通免許を取って、白い普通車に乗ってきた。
彼は大学進学はせず自動車整備士になった人で、私にトリオレコードのバッハとヴィヴァルディのLPを貸してくれた。
このことは「雨の日はバロック」で書いた。
高校3年のとき、体育祭の準備で看板を作るのに、みんな遅くまで学校に残って中庭で作業していた。
秋は日が暮れるのが早いから、夕陽が赤いなと思っていたらすぐに暗くなった。
看板を塗っている手元のペンキの色も見えなくなった。
そこで、軽自動車に乗ってきた男子生徒たちが自分の車を中庭に入れ、ライトで作業中の看板や手元を照らしてくれた。
作業が終わるとみんなを車に分乗させて家まで送ってくれた。
私はイリヤの家がうちの近くだったので、イリヤと一緒にNGくんの赤い車で送ってもらった。
体育祭は全校生徒を誕生月で分け、3〜5月生まれが春組、6〜8月生まれが夏組、9〜11月生まれが秋組、12月〜2月生まれが冬組だった。
私は7月生まれなので夏組だったが、ほかにはイリヤ、サッカー部のキャプテンTBくん、車で送ってくれたNGくん、NGくんと同じハンドボール部で私と同じクラスのATくんがいた。
中学が一緒だったサヨちゃんと、中1のときの4人組のMさんとKさんも夏組だった。
Kさんとは高校時代はお付き合いがなかった。
Kさんは私と誕生日が同じで、私が郊外に引っ越した中2のときから卒業するまで、毎朝一緒に登校するほど仲が良かったのに、同じ高校にいたのを忘れるくらい疎遠になっていた。
以前の記事「ケンちゃん」で書いたように、私が子供の頃、父が商売に失敗して川崎の郊外に引っ越したが、それから町中に引っ越してあちこち転々とし、中2のときに郊外ではあるが最初の所とは別の場所に家を建てて引っ越した。
それからずっとその家で暮らしていた。(私は何度か親元を離れて暮らしていたが)
夏組の応援団による応援歌が面白い。
春は浮き浮き気もそぞろ
秋は月夜で腹下し
冬は寒さで身が縮み
最後に残りし夏組は
元気いっぱい優勝す
この応援歌の通り、高3の体育祭は夏組が優勝した。
ヘッダーの写真が優勝した夏組。私も最前列に写っている。
最後は仮装行列で、夏組は日本の祭りというテーマで仮装した。
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私の右隣(向かって左)にいるのはサヨちゃん。その隣は4人組のMさん。
前列左端で浴衣を着て腕組みしているのはFMくん。
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右から2人目が軽トラで通学していたOBくん。
体育祭の夜、翌日は休みだったので、私はクラスメートのIGさんを誘って夜行列車に乗り、静岡県の田貫湖と白糸の滝を見に行った。
途中の列車乗り継ぎの駅で、列車が来るまでだいぶ時間があったので、ホームのベンチに横になって少し眠った。
真夜中にどこかの学校の修学旅行らしい列車が通り過ぎた。
起きて窓の外を見ている生徒がいたら、そんな時間にホームのベンチで寝ている女の子2人連れは奇異なものに映っただろう。
田貫湖の周辺には何もなく、誰もいなかった。
湖のほとりの草の上に寝転んで、IGさんと2人でしばらく眠った。
前日の体育祭の疲れもあって、ぽかぽかとした暖かい秋の日に包まれて気持ち良かったが、まだ先の行程があるのでそう長く寝ているわけにもいかなかった。
眠くてぼうっとした頭を抱えて白糸の滝へ向かった。
白糸の滝は、私の記憶では石でできた大きな噴水の池のような所で、周囲の岩肌に幾筋もの滝が流れ落ちていた。
白い装束をまとった年配の女性たちが滝の水を浴びに来ていた。
この近くの店で何か食べたと思う。
ネットで公開されている白糸の滝の写真を見ると、田貫湖の近くにある白糸の滝は噴水の池のような人工的なものではなく、滝の水を浴びるような場所でもなさそうだ。
どうやら私の記憶が間違っているらしい。