プログラミングを勉強した話(その2)
※記事の中で「MZ-7」と書いているのは「MZ-700」の間違いです。
講習会は月に1度、朝から夕方までで、お昼にはお弁当が出た。コンビニ弁当と松花堂弁当の中間ぐらいのお弁当だった。
最初の説明会で話があったが、MZ-7を友人や知人に売ればマージンが出るということだった。
人を募集したのも、こんな講習会をやったのも、ダブついていた在庫を処分する狙いがあったのではないかと思う。
私は大学時代の友人がパソコンに興味があって欲しいと言ったので、彼に買ってもらって家まで使い方を教えに行った。
簡単なゲームソフトが付いていて、それを読み込ませてから、自分でアレンジしてちゃんと動くようにする、といったものだった。
私が講習会で習っていたこととは全然違って、買ってすぐに使えそうだったが、面白いかどうかはわからなかった。(私にはこのソフトは付いていなかった)
私が講習会で習っていたのは、BASICのプログラミングだった。
それを説明する前に、このMZ-7がどういうものだったか説明しておこう。
これは簡単に言うとCPUにキーボードが付いただけのもので、ディスプレイはないからテレビの画面につなぐ。
パソコンを使うときは、テレビの裏側のアンテナの配線を切り替えて、パソコン用にしてから専用のケーブルでつなぐ。
次に、キーボードのスイッチを入れて、まずは付属のカセットテープからBASICを読み込ませる。
画面上にプロンプトが表示されたら、プログラムを書いていく。
画面上で何か書いて、結果をプリントしたい場合は、プロッタプリンタというものが付いていた。
先端が円錐形になった長さ2〜3センチのカプセルにインクが詰まっていて、円錐形の先端からインクが出てくるものをセットして使う。
インクは黒、赤、緑、青の4種類あり、プログラム中で色の指定をしておくと、結果が指定通りの色で印字される。
印刷用紙はレシートの倍ぐらいの幅のロールペーパーで、プロッタプリンタにセットして使う。
現在のパソコンとはだいぶイメージが違うものだが、当時、このパソコンでプログラミングを勉強して、現在はレッキとしたプロのプログラマーになっている人がいる。
「それから会社に何があったか」に書いた例の一派の1人で、自発的に会社を辞めた技術者だ。
あるとき、私が茶飲み話にこのシャープMZ-7の話をしたら、彼は当時小学3年生で、これを使ってプログラミングを覚えたと言っていた。
2人でシャープMZ-7の話で盛り上がったが、もしかしたら、彼はMZ-700を使っていたのかもしれない。
講習会では毎回習ったことを家で復習するように宿題が出た。
講習会で作った簡単なプログラムはカセットテープに保存して持ち帰り、宿題のプログラムもカセットテープに保存して持っていった。
翌月までにやっていけば良いので楽勝だったが、面白いので私は家に帰るとすぐにやった。
この講習会は1983年秋に始まって、翌年の春に終わった。
こんなことが仕事になるはずはなかったが、主催者側も最初からプログラマーを育てるつもりはなかったと思う。
このBASICの講習会を終えた人は、次にオフィス用パソコンの講習を受けることになった。