セントクリストファーガーデン 自由が丘
セントクリストファーガーデンは木造の白い洋館のような建物で、庭には木が生い茂り鉢植えの植物がたくさん置かれて、レストランというより庭園といった雰囲気を漂わせていた。
庭の入り口から店の入り口までは薄茶のタイルが敷き詰められ、庭の入り口に立てられた看板と、店の軒先テントの深緑色が白い建物に映えていた。
この店には2007年の3月と8月に行った。
3月には光代さんと行ってランチした。
アンティークな家具や丸くて可愛いテーブル、ウィリアム・モリスらしいテーブルクロスといった調度が、イギリスのどこか古いお宅にお邪魔しているような気分にさせてくれた。
ただ、トイレがやたら広くて落ち着かなかった。3畳間ほどあるのだから。
光代さんも同感だと言っていた。
8月にはカナコさんとアフタヌーンティーで訪れた。
サンドイッチもパイもスコーンもとてもおいしかった。
ケーキもタルトもゼリーも、もちろん紅茶もおいしかった。
リニューアルした室内は明るく、テーブルセッティングも、窓から見える庭も美しかった。
はす向かいにあったアンナミラーズは、光代さんと行ったときには取り壊されていたが、このときは新しいビルが建ち、中には別のティールームが入っていた。
以下はWEB版気まま通信からの引用。
……ここから……
「ここ、前はテニス用品のお店だったんですよね。センクリって言っていた」
アフタヌーンティーが済んで、今出てきたセントクリストファーガーデンの建物を振り返ったカナコさんが、ふと思い出したように言った。
「それは知らなかったわ。いつの間に紅茶のお店になったのかしらね?」
「どんどん変わっていっちゃいますねぇ。ちょっと来ないとすぐに新しいお店ができて」
「この通りをまっすぐ行くと、右側にアンティークのランプ屋さんがあったのよ。今はもうないんだけど。その先の角のところには、アンティークのインテリアのお店があってね」
「ああ、ありましたね」
「それも、なくなっちゃったのよ。3月に友だちを連れてきたとき、そこに案内したかったんだけど」
「あの店の角を曲がって、なんて覚えていてもだめですよね。お店がなくなっているから、どこを歩いているかわからなくなっちゃう」
私は子供の頃から歩き慣れているので、この街の地理は頭に入っているが、ここにあったはずと思って来ると、その店がなくなっていて当てが外れてしまう。
自由が丘に来たときはいつも寄ることにしているTwice(トゥワイス)へ足を向けた。
ところが、入口の小道の角に看板が出ていない。小道を入って店の前に来ると、中はがらんとしていて、ドアに貼り紙が……。
「Twiceは5月13日にクローズしました」
え~~!?
光代さんと3月に来たときにはそんなことひと言も言っていなかったのに!
そう、あのときもTwiceに寄って、セントクリストファーガーデンでランチして、その後特設ギャラリーで田中庸介さんの個展を見て、そこで王由由さんにも会ったのだ。
こうしてまた、馴染みの店が姿を消してしまった。
……ここまで(2007年8月)……
Twiceの話は次の記事で。