標本

薄明の終わり
六畳に佇む
大きな煙は餌付けの合図
捲った左の手首に朝を知る

白昼の下がり
六畳に俯く
浅い吐息は寝癖を揺らす
捻った頭の動きに頬を染める

遊泳
水平線に取り憑かれて
おぼつかない 手持ちのフィン
数円のビニールにO2

遊泳
風景はガラスを透かして
淀んだ空 浮かぶ一匹
水面の標本に針打つ

薄暮の始まり
六畳にきしめく
引き攣る身体はシーツを汚す
遅れた時計の針に耳を澄ます

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白石ヨシュア | アンチヒロ
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