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白石ヨシュア | アンチヒロ
2024年1月24日 18:10
口ずさむ街灯に浮かぶ雪に溶け込んで足音ををつい止めるマンションのモザイクを晴らすように帰りを急く足早な人波青い月が長い睫毛を垂らすように微睡むカーテンの裏地の海を割って光を背に吠えてる黒い犬遠く月がそっぽを向いて頬を染めはにかむすっかり温くなった缶コーヒー裸の左手綿雪が肌で喘いで沈んで指先から私は夜に馴染む
2024年1月22日 18:00
蚯蚓が干涸び死んでいた“そこのけ…” 蟻達 貪って頭か腹か 判らぬ欠片を高々と掲げ 家路へと赤茶の破線は 巣へ帰る影って たちまち 通せんぼ穢れを知らぬ 無垢な靴底は血もなく潰れた 虫連れる
2024年1月19日 19:58
駄目って言ったところで止めてくれないんでしょ雨のひま洩る部屋で汗が冷めぬように脚を埋め合う貴方 欲しいのねタダで 私の心を可笑しい人ならば 聞かせてたったね 一つの言葉よ朝に死ねるよう繋いでいたはずが完全 に見失って蒔いた種は乾いたまま育ってしまって 蔓を巻いて喉に絡みつく貴方 欲しいのねタダで 私の心を優しい人だから 聴かせてたったね 一つの
2024年1月18日 19:39
930 唸るターボ長い髪は湿って遠雷 うねる峠若い二人は黙って“2:05” 浮き上がるフロントガラスH & "RO SE" 吹かすエンジン街の光は被って赤い 橋と車体重なり シューマンがシェイクしてボクサー 嗅ぎ分けるイチゴ不適切な操作その刹那 スローな映写走馬灯のロードショーさ指で弾いた散らばった花束リア 花弁越しの君はぼんやり 月と旱星灰と雲が