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自分が死んだあと微生物の力で有機肥料になるという選択
2022年の夏ごろ、友人から
シアトルで遺体を堆肥化するサービスを提供する会社があるよと教えてもらい RECOMPOSE という会社の
”火葬以外の選択肢”について調べた
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年を重ねるにつれ
祖父母や家族、若くして病と闘った友人など
大切な人との別れが増えてくる
必然である”死”についてマイナスなイメージを持たないように生きてはいるものの
ついこないだまで、そこに存在していた人との別れは
愛していれば愛しているほど残された側は悲しい
なんといっても故人との最もつらい別れのシーンは
火葬場だ
日本ではこの方法が最も多いが愛する人との別れに
さらに追い打ちをかけているような耐えがたさがある
そこでこのRECOMPOSEが始めた
遺体を特別な施設で微生物によって堆肥化させるというサービスはあの耐えがたいシーンを祝いのセレモニーのように乗り越えられる希望のような何かを感じた
大切な人の大切な身体は六角形にデザインされた施設のカプセルの中に藁や木片とともに埋葬され
natural organic reduction(自然有機還元)という方法で6~7週間という短い期間で微生物の力とともに肥料となり土に還る
その土は地球の自然の一部となって植物を育てたり
作物を育てまた新しい生命を循環させるのだ
火葬場のそれとは違って
自然環境保護の観点からみても遺族の心の在りどころとしても素晴らしい埋葬方法と感じた
RECOMPOSEの創始者カトリーナ・スペード(Katrina Spade)氏は
「愛する人の死に対してより多くの選択肢を与えたい」という会社設立の思いを語っている
愛する人が土となり
そこに花が咲く
その種が空を飛び
誰かの喜びや命につながる
そう想像すると
別れのシーンが少し違ってみえた
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