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もしも私が小説家だったら

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趣味で短編小説や詩を不定期に更新しています。オススメは「ソルフェージュ」です。
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ソルフェージュ

「人手が足りてるからしばらくアルバイトさんにはお休みしてもらう事になったよ。」 オープ…

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プロローグ

ほとんどの色には夢がある それは7色の1色に選ばれること 人生で一番素晴らしい事だと信じて…

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一本の細い糸 今にも切れそうな薄い糸 遠くで引っ張られ続ける糸 最初はみんな同じだった 揉…

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skål

永遠のような人生 時の流れを感じる一年 勝負なのと意気込む一ヶ月 長すぎる1週間 ぼーっとす…

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多分、悪い年じゃなかった

珍しく、歩く気分になった もうてっぺんを回る時間だ 世間は一気に年末ムードで どこもかしこ…

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盲 目

ぼやけている 街も車も猫も ぼやけている 耳元で大きな音が鳴った後のように 体に入ってくる音…

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もういちど、眠りにつく前に

深夜彼が帰ってきた。 ここのところ終電で帰ってくる日が多い。 毎日忙しいようだ。 そばのドアから隣の部屋の光が漏れている。 カレーを食べる皿の音と寝ている私を気遣って音量を下げたテレビのノイズ音も一緒にドアの隙間から漏れている。 私は横になりながらドアを見つめる。 …この風景どこかで見たことがある ああ、幼い頃仕事で忙しくしていた父が夜中に帰ってきた時のだ。あの頃は今のようにマメに連絡をとり合う時代ではなかったからいつ帰ってくるかわからない父を待つ母はさぞ気が揉んだだ