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再会の朝

以前、とある国の大使館で働いていた

仕事は強烈に大変で、私は数か月後にその職場を去った

人には向き不向きがあり、そして、がんばれる環境、そうでない環境があることを痛感した

そして今朝、その頃一緒に必死で働いていた同僚を駅で見かけた

一瞬名前が出てこなくて、声をかけることもできず、気がついたら人の波に飲み込まれるように、背中が遠くに見えた

朝の東京駅ですもの
混雑していて当然

私はそれでも立ち止まって、振り返って彼の背中をぼんやり見ていた

敬虔なカトリック信者の彼
クリスマス、教会に行ってみようかしら、と言ったら喜んでくれた

でも連絡先を交換することもなく、今はバラバラになった
無理に連絡先を交換しなくても、ご縁のある人とは必ずまた会えるから
そう言っていた

彼のいう「ご縁」とは、今朝の一瞬の再会のことだったのか

分からないけれど、人生の一時期、一緒に同じゴールを目指してがんばった仲間の顔を見て、あぁ今もどこかでがんばってるんだ、とその背中を眺めるのも悪くはないと思った

私は彼のようなカトリック信者ではないけれど、神様はいると信じてるきっとまたいつか、ご縁あって誰かとどこかで再会して、相手の幸せを祈る日がくる

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