【演劇✖️一次産業】半演劇体験-おにぎにぎの日-ができるまでをダイジェストに握ってみました
おにぎにぎの日を主催していろいろと学んだことがあったので、ここに残しておこうとおもいます。備忘録くらいで観てもらえれば〜!
「ぜっったいに、おにぎりを題材にした劇を創りたい」
これが全ての発端でした。
函館から40分車で行ったところにある大沼という場所にゆきちゃんという人が住んでいる。私はゆきちゃんのご家族にはかなりお世話になっていて。まさに家族のように仲良くしてもらっている。ある日、泊まらせてもらったことがあったんですが、朝起きた時、ゆきちゃんがつくっておいていってくれたおにぎりが信じられないほどおいしかったんです。
でも、ただ美味しいだけじゃなくて、なんだか心があったまるくらい素敵なお味だったわけです。ほっこり。
それを食べてから、おにぎりってすごいパワーを秘めているなと思い、おにぎりを題材にした劇をつくりたいと心に決めたのです。
運命的な出会い
この人は清水詩央璃(しみず しおり)です。今回の演劇の相手役。彼女とは東京の高円寺にある公共劇場「座・高円寺」の劇場創造アカデミーで出会いました。彼女と出会った時、絶対この人を函館に拉致したい!と思ったのを覚えています。彼女の人柄の素晴らしさに惚れてしまったのです。そして、私が、私こそが!彼女の一番いいところを私が生かしてやるぜ!と思ったりもしたのです。笑
そんなこんなで劇場創造アカデミーの10月の「演技・演出合同ゼミ」にて、清水に熱烈オファーをかけて、共におにぎりの劇に挑戦することになりました。
悔しさがのこる授業発表
なかなかに苦戦した劇作り。たくさん泣いた劇作り。
なんとかできた劇は面白くて、笑いをたくさんもらったんだけど…..正直悔しさを残していました。なぜならおにぎりの暖かさを伝えきれなかったからです。他人の握ったおにぎりがめちゃくちゃうまいっていうことを伝えたいのに、なんかそれが伝わらなくて、アアアって悔しかったんです。
だからこそ再演したいと誓ったのです。
さあ、函館だよ
再演場所は私の本拠点である「わらじ荘」です。
わらじ荘には大きな居間と襖があって、劇場ではないのですが、劇場にしたら最高なのが目に見えている空間があります。そして何よりおにぎりがよく似合う畳がありました。
そして、今回函館でやるに当たって、どうしてもコラボしたい人がいました。
そう、さっちゃんです。さっちゃんとはもうかれこれ三年目の付き合いとなりますが、さっちゃんは私のいろんな活動を共にしてくれました。子分のような存在です。私はさっちゃんの歌に惚れているし、彼女のやりたいけどやりたくないという葛藤やアンビバレントな性格が私は大好きです。笑。彼女と共につくりたい。そう思ったら一目散にLINEしていました。
場をどうするか
キャストは揃った。しかし、場をどうしよう。
ただおにぎりの演劇をするだけじゃ面白くない。と思った私は
昔から仲良くしてくださっている劇団主催、デザイナーなどをしている加藤隼平さんに相談したんですね…..
すると….
お米の協賛をもらって、スポンサーになってもらって、しかもお客さんに握ってもらったら面白いのでは?という話になっちゃったんですね。笑
ラッピで雑談していただけなのに、おにぎにぎの日」ができちゃったんです。笑
そこから….10月の時に達成できなかったことを達成したいと思い、演出家であり、劇作家である館さんに台本をお願いしました。
3月の下旬、引越しも佳境を迎える頃、稽古に臨みました。
館さんの台本と10月の劇を照らし合わせながら、稽古を繰り返していましたが、私たちのおにぎりへの想いと館さんの台本との兼ね合いがなかなかうまく噛み合わず….台本をそのまま使うことを諦めることになりました。本当に申し訳ないです。でも、でも、根幹は全て館さんの台本に詰まっていて、10月に達成できなかったゴールを裏台本である館さんの台本のおかげでなんとか花を咲けるようになったように思います。だから、正直チラシのクレジットの「作:館宗武」は消したくなかったんです。でも演劇の人からしたら、台本=作であり、作=台本を書いている人ということになるので、結局クレジットは作▶︎協力となりました。ご迷惑をおかけしてしまった皆さん、申し訳ありませんでした。でも、作に館さんは関わっていて、この劇は館さんなしにはできません。
稽古より農業
4月、函館に清水が函館にやってきました。じゃあ、稽古?と思いきや….まさかの農園体験。笑
ローカルレボリューションという会社の岡本さんが、白石農園さんと山田農園さんとつないでくださり、お米の協賛をしてくださることに。
その代わりと言っては足りませんが汗
午前中は農園にお手伝いに行って、午後から稽古をするというプランを立てたのです。
皆様に迎え入れていただき、どちらの農園にも二回邪魔することができました。
時期的にお米の栽培に関わる体験をすることはできませんでしたが、野菜の種まきや土を耕すことに成功しました。体験をしながら山田さんと白石さんの土、野菜、お米への愛情をひしひしと感じ、絶対に公演を成功させないと!と肝に銘じました。演劇もお米作りもきっと同じで、どれだけ手間と愛情をかけられるのかということで、そしてそれによって誰を喜ばせられるのかということだろうなと。
農園なくして、おにぎりの劇の完成あらずです。本当にありがとうございました。
また、おにぎりをのせる木のプレートも森町の元地域おこし協力隊のけんちゃんと一緒につくらせてもらいました。道南杉で作っちゃいましたよ〜
また、ミライカモンさんにもブリを協賛してもらって、そこでインターンをしていたりさにブリチャウダーをつくってもらうことになりました!
さらに渡島産直マルシェさんにホッケとサバを提供していただきました。
おかげさまで、最高のおにぎりプレートをつくることに成功しちゃいましたよ!!
皆さん、ありがとう〜!!
そんなこんなでおにぎにぎの日(函館)は当日を迎えました。
当日は
演劇を30分、その後、みんなでおにぎりを握りました。
最高の笑顔が見れて最高な時間でした。
また、二日目には白石農園さんと山田農園さんに登壇いただき、アフタートークを開催することができました。
山田さんの「お米つくりは人生と一緒」という言葉がとってもグッときました。やっぱり愛情だから。人生もっともっと、誠実に生きてなんぼだなと。純粋に素直に生きようと心から誓いました。
最後に、函館で支えてくださったわらじ荘のみんなを紹介したいと思います!
さて、東京公演に向かうよということで飛行機で清水と向かいました〜!
東京公演はある古民家に暮らしながら稽古をしました。
公演の場所は根津の「ねづくりや」という飲食店です。
昔からこのねづくりやのつるちゃんとは仲良しで、日本全国スミビラキ倶楽部というのをやっていたわけです。笑
3年越しくらいにイベントを共催することができて幸せです。
ねづくりやにいく道中で、よき珈琲屋さんがあったので、一服〜しました。コーヒー屋さんの名前は百舌珈琲店です。美味しいコーヒーをテイクアウトして、さて帰ろうとドアを開くと「ケータイ忘れてるよ」という声をかけていただき、あちゃちゃとあせアセしていたところ、店主の方とお話しすることになりました。
そこから私たちは根津に行くごとに百舌珈琲店に寄ることになりました。珈琲屋さんはいつも笑顔で、どんなパニックも笑ってくれます。大好き〜〜!
ここで出会った方々に演劇の話をすると4名の方が当日観にきてくださったんです。そこでの出会いがきっとこれからの私たちの背中を押すんだろうなと心から思っています。ありがとう。もずさん。
さてさて、そんな根津での東京公演ですが、函館と違うところがあります。それは…
場所が飲食店ということ!「ねづくりや」は人気ランチと夜のバー営業で常に場所を開けていて、いろんな人が出入りするわけです。ということはどういうことかというと、そう。稽古する時間が早朝と14時半に営業終わってから17時までの2時間半しかないということです!きゃー!まじで大変でした。。。笑
そして、舞台用の照明はなし、音響もなし、暗幕もしという環境の中、どうやって劇を成立させようかと試行錯誤したわけです。すだれを買ったりもしました。。。笑
あとちゃぶ台を通勤ラッシュで運ぶのも大変だった〜!笑
そんなこんなでできた舞台で総勢70名以上の方に目撃していただき、本当にありがたかったです。
函館と同じく、昼公演では演劇のあとおにぎり握り体験がセットでつきました!
15日の昼公演では子どもたちが自由に発言してくれたポジティブな言葉を受けながら演技をすることができました。子どもたちありがとう。
ただ….
夜公演は大変でした………..。
夜の子どもたちはめちゃくちゃ正直で、「うるせえ」と言われることもありました….。コミュニケーションをとりながらやるのってほんと難しい。それをよしとしたいのに、それを迎え入れられない自分の即興力のなさ、などをひしひしと感じ、かなり辛い気持ちになったりしました。。
しかし、夜公演の投げ銭は25名くらいの方々に見ていただき、約6万円を投げていただきました涙ありがたいことです。もっとがんばります…..!
16日の昼公演、お客様に恵まれまして….最後は泣いてくれる人も出て嬉しかった…..!一番今回の函館to東京公演でいい舞台だったなと思いました。
なんとか東京公演を終え、今は函館行きの飛行機の中です。
まとめ
さて、私はこれからどんな場所を創造し、世界をつくっていくのでしょうか?うーん、わかりません、わかりません、でも、もっともっと面白い時間を空間をつくりたい。そう思っています。外したくないのは、一次産業です。そして、演劇。もっと一次産業を体感したい。知りたい。死ぬほど働きたい。もっといろいろなことをしたい!もっとおもしろい演劇をしたい。
あ〜〜!死ぬほど死ぬほどもっと色々やりたいんです。ということで、
『OBENTO BOX』というユニットで、いろんな具材とコラボできるような演劇集団をつくりたい、と妄想しています!!やっぱり演劇集団はなしで。うーんと場づくり集団かな、なんでもいいんですけど、とにかく最後は皆さんとお弁当を食べてもらいながらみる演劇をしたいです!!
最後まで読んでくださりありがとうございました。