ゴーゴリ

もう終了してしまったけど、小説家の小川洋子が相手役の人と色んな小説の内容を紹介しておもしろさを語るラジオ番組が好きだった。もうかなり前の話だが、ゴーゴリの『外套』を紹介する回をドライブ中に夫と聞いた。ゴーゴリはロシアの文豪で、作品は読んだことないけど国語の授業とかで名前と代表作のタイトルぐらいはなんとなく聞き覚えがあるという人が多いのではないだろうか。変な話をたくさん書いた人という印象が強いが、『外套』も変な話だ。
小川洋子がまずざっと作品のあらすじを説明するのだが、主人公のパッとしない小役人が古くなった外套を散々悩んだ末思い切って新調したら同僚達から褒めちぎられ、外套新調を記念してパーティーがひらかれる流れになってしまい、パーティーの帰り道に追い剥ぎにあって主人公はその外套を盗まれ、心痛のあまり半狂乱になり……というのに耳を傾けていた夫は「どんな職場だよ」「ロシア人どうかしてるな」と随所で突っ込みをいれ笑っていた。一般的なロシア人がどんなものなのか知らないが、ゴーゴリは間違いなく変人だったであろう。

なんでこのことを書いたかというと、沼野恭子『ロシア文学の食卓』を読んでいたらはじめのほうにゴーゴリはめちゃくちゃ健啖家だったというエピソードが出てきて急に思い出したからだ。

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