転生する？

同僚の佐藤さん（←仮名です）は気の良い50代の女性で、よく話し相手になってくれる。今朝は50分ほど寝坊してしまったと言っており、事情を聞くと最近就寝前にKindleで小説を読むのにハマっていてゆうべは気づいたら深夜2時まで読み耽ってしまっていた、とのことだった。どんな小説を好んで読んでいるのかというと『異世界転生もの』らしい。私はあまり詳しくないが、冴えない若者がひょんなことから異世界に転生したらそこで思わぬ能力を発揮して周りから賞賛される…みたいな筋書きをベースとするファンタジー小説の総称だと思われる。若者に人気だと聞いたことがある。ちなみに、最近読んだのは異世界に転生したら聖女だったみたいな話らしい。「結末が気になって一気によむのだが、読み終えたあと改めて現実の自分の身の上を考えると小説の主人公のキラキラした境遇との対比でむなしくなる。なんか落ち込んじゃって読み終えた後も寝つきが悪い」とぼやいていてなんか面白かった。しかし、これからも異世界転生ものの小説を読みまくるつもりでKindle Unlimitedに申し込むか悩み中らしい。私はとりあえず佐藤さんにぼのぼのというラッコが主人公のマンガを6冊貸すことにした。ぼのぼのの紙のコミックにはページ下部にパラパラマンガが描いてあって、それは電子書籍だと楽しめないからだ。

異世界転生も楽しいけど睡眠も大事だよ。

終わり