手紙魔が来る

手紙を書きたい気持ちがやたらと高まる時がある。ついこないだそういう日があった。引っ越したばかりなので一応報告しようと思って、という大義名分もある。長いことインクを抜いてしまい込んでいた万年筆を引っ張り出して字を書いていると気分がのってきて、十通ほど書いた。友人親戚はいいとして、引っ越す前のかかりつけだった歯医者にまで「もう定期検診の案内は不要でございます。お陰様で口の状態がよくなり歯磨きが上手くなりました」と書いたのはさすがにやり過ぎだったかもしれない。先ほど親戚の一人から返事が来ていて、大人の手による几帳面な挨拶文の上にのびのびとブレている子供の筆跡で「◯◯さん おてがみありがとう♡」とピンク色のペンで書いてあった。そこのうちの子にはまだ直接会ったことはない。ちなみに、この子への出産祝いを選びに日曜のイオンモールへ行ったら立駐が激混みで、空きスペースにありつくのに20分費やした夫がキレて「だからオレはイオンモールは嫌いなんだ」と言い放ったという思い出がある。
もうひらがなを書ける年になったのか。いつか直接会えるかな。と思ってほのぼのした。

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