墓石やさん
あまり栄えていない地方の街並みを表現するときに嘲って「何もない」というのが好きでない。何もないってことないだろう、木とか電柱とか接骨院とか雑草とかダサい店とか民家とか何を売ってるのかよくわからない個人商店とか色々あるだろう。と思う。私が通勤時いつも通る道路沿いには小さな墓石屋(正式には石材店と呼ぶべきか)がある。渋滞で車がなかなか進まない時など、こういう店を観察しているとわりと暇がつぶせるものだ。私も年を取ったらこういう店に世話になったりするのだろうか、自分はどういう死に方をするだろうか、と空想するなどして。その墓石屋には吉村作治の顔写真の上に宣伝文句が書かれたのぼりがいくつも立っていて「なんで吉村作治?」と思った。私の考えだと、吉村作治はエジプト考古学者→エジプトといえばピラミッドが有名→ピラミッドは王族の墓→そうだ!墓つながりで吉村作治にPRを頼もう!という流れではないだろうか。いや、それにしてもなぁ…と思ったが他に墓石の広告塔を快く引き受けてくれそうな著名人は思い浮かばなかった。