屋根裏ピクニック

引っ越してきた物件は戸建てタイプで屋根裏部屋がある。使用頻度の低いアウトドア用品とか時季はずれの布団とかをしまっておくのに重宝するほか、秘密基地・隠れ家的な感じに整えられないか画策している。本棚に入りきらない文庫本を積み上げてある一角に座椅子、ちゃぶ台がわりのクーラーボックス、持ち運び用枕、キャンプ用マットレス、毛布を配置してくつろげそうなエリアを作ってみた。

温かい緑茶を入れた水筒をリュックサックで持ち込み、本や手紙を読んだり窓から外を見下ろしたり寝転がったりしてボンヤリ過ごした。自分で水筒にお茶を作ると風味が薄い仕上がりになってしまうことが多いが、ちょっとしたピクニック気分のおかげかそれなりに乙な気分になる。食べ物については食べカスが散らかると掃除とか虫がわくリスクとかあって面倒かなと思い今回は飲み物だけ持ってきたが、一口サイズの飴とか羊羹とかカスが散らかりにくそうなものを選べばいいのかもしれない。居間のテレビの音が下の方から聞こえてくる感じがおもしろい。今の時期ぐらいの寒さは厚着をすればしのげそうだが、夏場はどれくらい暑くなるのかなといったところだ。

本棚からあふれた本がたくさんある
この後ハシゴの前あたりにサーキュレーターを置いて暖房の空気を押し上げられないか試したが、効果はよくわからなかった


空いた菓子箱にしまっておいた手紙を何通か読み返していると、2022年春あたりに貰ったものがまとまって入っていて近所で桜が咲いてきたとか散歩しやすくなってきたなどと書かれておりまたそのうち春が来ちゃうなぁとしみじみ思った。手紙の最適な保管法についてはなかなか答えが出ない。一時期はクリアファイルやノートに綴じ込み、封筒は展開図のように開きにして便箋も全部表向きに見えるようにして本みたいにパラパラとページをめくって読める感じを目指していたのだが、手間が億劫になり結局菓子などが入っていた空き箱にため込む状態に戻っている。でも、一通ずつ封筒から便箋を取り出して読んで「こんな話してたなぁ」と思いまた封筒にしまって箱に戻すという所作がなんとなく楽しい気もして、ファイルに綴じるよりはこっちのほうが楽しくていいかもと思っている。ぼんやりしていると、様子を見にきた夫がハシゴから頭だけ屋根裏につっこんでニヤニヤしながら「巣だな」と言ってすぐ戻って行った。

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