ティム・インゴルド(訳:金子=水野=小林)『メイキング—人類学・考古学・芸術・建築』(左右社、2017)
人類学者のティム・インゴルドによる『メイキング』という本を読んでいる。「参与観察は『内側から知る』方法」という記述のあたり、面白いと思う。が、データに変換し、対象化するのではなくて、「周囲のものと直接的に、実践的に、感覚的に結びつく」ような仕方で未知の問題にどう至るのか、そのどこに希望を見出すのかいまいち掴めなかった。これは私が法という抽象的な規範を立てて、裁判実践等の中で周囲のものとの結びつきがようやく顕になる分野の勉強をしてきたからかもしれない。しかし、その意味するところ