ミュージカル黒執事「寄宿学校の秘密」
約3年ぶりの生執事観劇してきました!私自身、2.5次元(漫画・アニメ原作)の舞台はあまり観劇しないのですが、生執事とテニミュ(氷帝のみ)は大好きで、毎回通っていたので、今回もワクワクしながら観劇しました。
・舞台の感想(演出・音楽・セットなど)
1、演出について
まずは、「寄宿学校編」という長編EPを約3時間の舞台で上手にまとめたなというのが率直な印象。この寄宿学校編、わかりやすいお話かと思いきや、途中でクリケット試合を挟んだり、ほのぼのしている部分もあれば「THE黒執事」というダークな部分ももちろん存在する。。様々な要素が組み込まれたこのEPを舞台化させたのは素直にすごいと感じる。
演出において良かった点に関しては特に2つ。
1つは、学園編らしい若さあふれるキャストを思い切って使用したこと。2つめは、今時2.5次元のキラキラした「歌う!ダンスする!」といったシーンが要所で組み込まれていたこと。(比較対象テニミュしか知らないので違ったらすいません。)どう表現するのか??と思ったクリケットシーンが思いっきり2.5次元に振り切った演出であったのは、素直に面白かった。(めちゃくちゃ踊る。これはこの役者さん達ならではで大変良き!)
逆に惜しいな、、と思ったのは、キャラクターに対する演出と原作黒執事のダークな雰囲気への演出が少しキャッチーになりすぎているところだと感じた。原作がある以上、キャラクターを忠実に表現することが肝であるはずが、他の2.5次元作品のオマージュともいえる演出するのはいかがなものか?と感じた。特に今作の役者はよく言えばフレッシュ、悪く言えば(前作と比較すると)経験不足が目立つ。「歴史ある作品で、重厚感ある雰囲気が魅力の舞台で、ファンも多い舞台である。」とパンフレットにも記載があった通り、前作とどうしても比較されることが予想されていたなら、今まで以上に原作忠実なキャラ演出、ダークな部分への落とし込みが必要であったかなと感じる。キャッチーな部分の演出は良かったが、原作上必要なシーンが抜けていたり、セバスの「掠め取られては・・・」などの演出がチープでいつまでもテニミュ風味が抜けきらないそんな印象を受けたのが勿体無い。
音楽とセットには正直「う~ん、ちょっと残念」と感じた。音楽に関してはセバスの印象的な曲がない!!これは大ダメージ。歌えない役者さんではなかったし、主演なのに、、。全体的に曲調も明るく、ほんとキャッチーな部分は良かったが、演出同様もう少し重厚感がほしかった。セットは柱・仕切りが多すぎて、別にサイドシートでもないのに、見えない!と感じるところが多かった。センターでない限り、多少見切れるのは仕方ないが、これほどまでに座席に左右されるセットを使った舞台は見たことがない。
・役者/キャラクターについて
役者は正直、悪くなかった「予想以上」であった。
セバス(立石さん):新セバスは、なんともまあ綺麗なお顔であった。衝撃の美人。歌もアクションも格好いい。お芝居も下手だな、とは全く思わなかった。ただ、セバスチャンか?と聞かれたら、やはりまだ前作までの役者さんと比較されてしまう部分があるな、と感じた。特に今作の見せ場である最後の「掠め取られては・・・」のセリフ表現などで、セバスらしい怪しさ、いやらしさ、いわゆる悪魔感を全身で表現できれば、立派な立石さんのセバスなのに、もう一声といった印象を受けた。(でも、何も松下さん・古川さんの真似をということでは無い。ゾッとする印象が少し足りないと私は感じた。)ご本人が受けた「お茶目なセバス」の印象はとてもよく表現されていて、愛着が持てた。また、今作はシエル含め、年齢層が近い役者が揃っているので「セバスは?どこ?」と舞台で迷子になるときもあった。(これは演出による部分もあるが)ただ、帝劇レベルの古川さんセバスの後任で、更に初主演!プレッシャーもあったと思うが、華やかで綺麗で「残念」な部分がなかったのは、私にとっては大満足。今後が楽しみ。
シエル(小西さん):おやまあこれまた綺麗なお顔。しかし、歌が不安定・・。成人が子供であるシエルを表現するのは、至難の業であることは分かる。とてもよくわかる。(しかも同世代ばかりの今作では尚更)だからあまりそこに拘らなくていいのでは?と思った。ただただ「シエル」を演じてくれれば、おのずとシエルに見えるのに、あまりに「子供である」というところに意識が向けられすぎていて、違和感を感じるところが多々あった。これは、正直演出家が考えてあげたらよかったのに、と思わずには居られない。かわいいんだけどね、小西さん。
葬儀屋(上田さん):笑い方葬儀屋まんまじゃん!と驚いた。役作りに関しては、彼本人の覚悟がすごく見えた葬儀屋だったなと思った。私は和泉さんの葬儀屋が大好きだったので、何ならキャス変で一番「まじかよ!」と、ショックだったのだが、問題なかった。和泉さんとは違う、上田さんの葬儀屋が舞台に居た。役者さんってすごいな、、と素直に感動した。ただ、セバスと歌声が似ててどちらが歌っているのか分からなくなる瞬間があったので、これは双方の問題だが、キャラクターのままで歌ってくれたら!と感じた。
P4とファッグたち:よかった、よかったとても。デリックを殺したシーンの監督生たちの演技は、泣きそうになった。原作では見えない各キャラクターたちを細かく表現してくれて、舞台上の動きがとても楽しかった。日替わりとかはちょっと遊びすぎじゃない?とも感じる時もあったし、キャラクター崩しすぎじゃない?(グリーンヒルはちょっとやりすぎかな。)と思う時もあったが、概ねどのキャラも愛しく、もっと見ていたい!と感じれた。特に赤寮、紫寮はキャラがよく立っていて、美しかった!青の教団アイドルも楽しみ!ダンスもお上手!!
・全体を通しての感想
まずは、生執事、世代は変われどやはり、私をワクワクさせてくれるものでした。主演の新セバスの印象的な曲がないことはめちゃくちゃダメージですが(だって彼は時期ティボルトなんでしょう?もっと歌えるよね。)、みんなキラキラかわいかったしエネルギッシュで、いいなあと思いました。
ただちょっとチケット代高いかなとは思った。テニミュとかもっと安いよね。2・5次元に振り切ったのなら、そこもお安くすべき。このチケット代に、「生執事」というブランドを掲げるのであれば、やはり全体的にまだまだ発展途上。でも、楽しかったし、次回があれば(緑の魔女してくれると信じているので)次こそ、少し重厚感の増した演出・演技・音楽が必須である。私は今作、主演の新セバスはじめ、面白い!と感じる役者さんに会えたので、とても今後が楽しみです。
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