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映画「夜明けのすべて」を見て。
映画「ファーストキス」が絶賛公開中ですね。
坂元裕二×塚原あゆ子×松たか子×松村北斗の掛け合わせなんて、
絶対自分が好きなタイプの映画だとわかっている!
タイムリープ設定なのも、面白い話になりそうなのわかっている!
ので、観たい気持ちはとてもとても強い!
ですが、映画館へ見に行くのは個人的にちょっと難しそう・・・
なので、代わりに見ましたNetflixで。
同じ松村北斗主演の映画「夜明けのすべて」を。
これは映画の感想および松村北斗褒め褒め記録です。(ネタバレあり)
映画のストーリーはこんな感じ。
PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さん(=上白石萌音)は、会社の同僚・山添くん(=松村北斗)のある行動がきっかけで怒りを爆発させてしまう。
転職してきたばかりなのにやる気がなさそうに見える山添くんだったが、そんな彼もまた、パニック障害を抱え生きがいも気力も失っていた。
職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、藤沢さんと山添くんの間には、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。
やがて2人は、自分の症状は改善されなくても相手を助けることはできるのではないかと考えるようになる。
感想を一言でいうと、
「余白が心地良い」映画だなと感じました。
具体的にどういうことかというと、
小説だったら文章で説明がされているであろう背景や出来事を、
セリフや役者の演技で理解できる映画でした。
完全にネタバレになりますが、例えば、
終盤、上白石萌音演じる藤沢さんが、松村北斗演じる山添くんに今の会社を辞めることを伝えるシーン。
「私、来月で会社を辞めることになった」といった藤沢さんに対して、
山添くんは「あ、そうですか」と、なんてことないような様子で答えます。
そして、「どんな会社ですか」「地域情報誌の会社」「面白そうですね」といった淡々とした会話のあとに、「山添くんはどうするの?」「あ~ここに残ることにしました」と続きます。
映画では、それぞれの事情によって、藤沢さんと山添くんの2人が会社を辞めるかどうかを会話するようなシーンは、ここまでにはありませんでした。
けれども、二人が淡々と話す様子や、「山添くん”は”どうするの?」といったセリフから、これまでに二人の間で、会社を辞めるかどうかといった話はしていたんだろうなといった背景が伝わってきました。
このように、この映画はあえて説明をしないシーンが多く、
役者の演技力(=描かれていない日々やあえて言葉にはしない感情を、観客に伝えられる力)を信じて、作られていると感じました。
説明をしないことで、観客に想像させる映画は意外と多いけれど、
「夜明けのすべて」では、こういった背景や事情があるのだろうなというのが想像しやすく、ストレスなく、心地よく観ることができました。
なので、演技力…演技力が大切なわけですよ!
で、私はSixTONESのファンなので、ここからは松村北斗をほめまくりたい。
松村北斗=山添くんの演技が本当に良かった!
具体的には、その人の芯の部分は一貫して通しつつも、少しずつ変化がわかる繊細な演技が本当によかったです。
早口で斜に構えているようなベースの性格は映画全編を通して変わらないけど、周りの人への態度は、藤沢さんとの交流を通して少しずつ変わっていったいうのがちゃんと伝わってきました。
特によくわかるのは、前の会社の上司とのやり取りの様子です。
映画の中で元上司は、山添くんに対して毎回「元の職場に戻れるよう調整しているから、もう少し待って」と伝える程度で、
元上司から山添くんに何か影響を与えるような出来事は起こりません。
しかし、山添くんと定期的に会って会話をしているので、そこでの山添くんの様子から、山添くんが段階的に良い方向へ変わっているなというのがわかります。
物語の序盤、サイクリングマシンに乗りながらオンラインで会話をする山添くんは、自分に対して良くしてくれている元上司に対しても、なんだか強がっていて閉じているように感じます。
中盤、元上司とその子どもと公園で会っているときは、序盤と比べて精神的によくなってきているんだろうなと思わせる柔らかさはありつつも、まだ少しだけこわばりを感じます。
終盤、レストランのシーンでは、山添くんは今の会社の商品の良さを目を輝かせて語っており、物語序盤のこわばった表情とは大きく変わったなと感じられます。
パニック障害の病状の変化を言葉で説明せずに、繊細な演技で表現できる、松村北斗、本当にすごい役者だ!
そして、
松村北斗のビジュアルが美しい。
SixTONESにいると、みんなスタイルが良いので、素通りしてしまうのですが
細身のチノパン姿が映るたびに、足が長い!スタイルが良い!と毎回思わずにいられません。
映画の中で、藤沢さんは山添くんのことを「ナルシスト」と評しているので、映画の中でも山添くんはカッコいい設定なんだと思います。
いや~かっこいい!たとえ性格がぶっきらぼうでも、松村北斗みたいな同僚が隣の席にいてほしい!!
最後に、映画で分かりづらかったこと。
上白石萌音ちゃんみたいなかわいい女の子と、松村北斗みたいなかっこいい男の子が、職場で唯一の若者で、隣の席に座って仲良く協力し合って仕事をする様子をみていたら、
職場の人は「恋に発展しちゃう?!」とニマニマ見守ってしまいそうですが、
この映画の映画の職場の人は一切そのようなそぶりはありません。
また、藤沢さん、山添くん自身も恋愛感情があるそぶりをみせず、
一貫して「恋人でも友達でもない同志」であろうとするのがなぜなのか、
正直、ちょっとわかりづらかったです。
私自身は、恋愛はまだしも、友達なら良いのではないかと思ってしまいます。
この関係性こそがこの映画のキモなんだろうけど、このあたりは私の読解力不足かな。わかりづらかったです。
たぶん、それぞれPMSとパニック障害を抱えて、お互い自分のことでいっぱいいっぱいだったんだろうなと考えています。
ちょっと腑に落ちないところはありつつも、全体的に落ち着いたトーンで、心地よく観られる良い映画でした!