心お弁当
本文
心を込めたお弁当とは、作った人の心が込められた料理であふれている。
しかし、ある少女は、文字通り、自身の心を込めている。
心など目に見えないだろう。
見かけは空っぽだ。
空っぽだから、おなかは満たされるどころか、減る一方だ。
しかし。
そのお弁当は、ずっしりと重かった。
「心は重い」。
それを体現したかのように重かった。
これが、少女の最初で最後の心のお弁当だ。
何故最初で最後なのか?
本人の心臓が入っているから。
参加企画
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