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取り憑かれた家 part2 [実話怪談⑨]

パート2です。この話を思い出そうとしたり、書き進めようとすると家の中から変な物音がするようになるので、外出先でしか書けず遅筆になっています。すみません。

「何か怖いことを体験したかも」とか、
「普段行かないような場所に行った」時は、すぐに家に帰らずにどこかでお茶したり、買い物して寄り道すると良いらしいですよ!


所謂、「外す」という考えらしいです。

私は母に教えてもらいました。
実際私が今回お話にさせてもらった物件から引っ越した時、引っ越し業者さんにもお金を渡して、荷物運搬の途中に2、3分で良いので…とコンビニで飲み物やおやつを食べてもらうようにお願いしました。多めに渡して残りは感謝料として渡しました。

荷物やあの場所で使っていたものに、乗ってくることがあるらしいです。
人間だけでなく、荷物にも便乗できるなんてすごいやん…と変に感心した記憶があります(笑)


さて、少し外れてしまいましたが本編に入ります。

部屋に入った初日玄関を入って左側の部屋の異変と、
部屋全部の湿度の高さ、暗さ、生臭さについて前回触れたと思います。

ここでざっくりとした間取りを載せておきますね。


間取り( ・∇・)

水色のところは、スライドドアです。
私は途中から左下の洋室以外は全開にしていました。
ドアを閉めると、物音を立てられる頻度と音の大きさがぐんと上がるからです。


何より、開けるのが怖くなるのが嫌でした。
どうせ同じの見るなら、扉開けてびっくりするよりは良いという謎の考えから開けていました。


この、本来一人暮らしには素敵すぎるこの間取り、
とにかく外の快晴が嘘のように暗い(笑)
毎日拭いても拭いても帰ってくると和室の畳がカビて、壁も濡れていました。


引っ越しがようやく落ち着いたものの
洗濯しても相当なかんかん照りでなければ、乾かなさそうな湿度。
ベランダを覗き込めば井戸、大きな木があるのも気になり
虫が洗濯物につくのも恐怖で外干しは断念。
部屋干しは絶望的…


仕事終わりに洗濯機を回し、コインランドリーで乾燥を待っている間にコンビニのおにぎりを食べる日々を過ごしていました。家にいないこの時間だけが今思えば、くつろぎの時間だったように思います。


母は転勤する私に
「テレビ買いな!音があると人間寂しくないよ」と買ってくれると話してくれていましたが、
当時は遠慮してしまい、「給料もらってから買う」と買わずにいました。
これは、引っ越ししてすぐに後悔していました。

思っていた以上に怖い部屋。
テレビの音がないので、研ぎ澄まされ、
さまざまな音が家の中から聞こえるのです。

自分が歩いた時のような、ペタペタという湿気に足が張り付きながら歩く音や
フローリングが軋むような音、部屋を仕切るスライドドアを小突くような音。


反響かな?とか色々考えましたが、頻度が異常すぎて怖かったのを覚えています。歩く音が自分が座っている横で止まったりなんかもしょっちゅうでした。

しかし、これは序の口でこの家で私は嘘みたいな体験を山ほどします(笑)

最初こそ、テレビの代わりにポッドキャストをきいていました。
しかし、途中から「ん?なんか別の人の声聞こえた?」みたいなことが多々あり早々にやめました。辞めた決定打になったのは、左下の洋室から笑い声が聞こえた時でした。

今思うと、何私が聞いてるポッドキャスト便乗して聞いてんだよ。金払え、てか家賃払えとも思いますが、当時はそれはそれは怯え散らかしていました。


お化けも面白いってわかっちゃう「バナナマンのバナナムーンラジオ」はすごい。ハリセンボンの春菜を弄り倒してる回でした。笑ってた奴センスはあったのかもしれません。


音関連でいうと、日常的に困っていたのが寝ている時でした。
夜中の音が凄くて、何度か起きてしまうほどでした。なので当たり前に入眠にも時間がかかり、電気を消すのも怖いという日々でした。


私があの家で一番聞いた音は、
ビニール袋を踏んで引きずりながら歩いているようなスゥーとかサァーという音。


最初は、レジ袋落ちてるのかな?(確認しても何も落ちていない)とか
外からの隙間風かな?とか思っていて、
心霊現象にしても音としても弱いしな…とか思っていたのですが

これは夜中に色んな部屋で聞こえていて、
ひどい時は目を閉じて寝ている私の周りで聞こえていました。
布団の周りをこの音が回るんです。
この時以来、布団に入っている時に
どこかの部屋でこの音がすると「頼む!!来ないでくれ」と願うようになりました。


その家を出て数年経って、
孤独死や事件など特殊清掃をしている方の体験マンガを読んだ時に
「ビニールを引きずるような音が聞こえる」という私と全く同じことを経験していたので、やはりあれは心霊現象で間違いなかったんだなあと思いました。


その後、私は知人からテレビを譲り受けることになりました。
めちゃくちゃ喜んでいたのですが、
テレビを見ていると後ろから誰かに見られている気がして
早々に模様替えをして、私は壁に背を預けてテレビを見ていました。
お金もなくテレビ台もなかったので床に直置きでほんとに変な配置に家具を置きまくっていました。

テレビは確か部屋の真ん中あたりに置いていました。


全ては、「これなら怖くない」にするためだったので
母が初めて家に来た時には驚いていました。

特に母が絶望的な顔をしていたのは、
私が普段座っていた座椅子に母が座った時のことでした。

私はいつもその座椅子に座り、ローテーブルで作業したり食事をとっていました。テレビをいつもつけてその椅子から観ていました。


母「〇〇(私の名前)いつもここに座ってテレビ見てるの?」

私「うん!基本トイレと風呂と寝る以外そこに座ってるよ!」

母「あのさあ、ううん何でもない。机の上片付けて、ご飯食べよう」

とその時、はぐらかされていました。
引っ越し後に母に言われたのは

母「お母さん、あそこに座ったけどテレビ全然見えんかったよ。見れたのは、上の3分の1くらい。正座しても半分も見えん。テーブルの淵に置いてる?置き物とか、近さもそうだしさ。あんたが普通に笑顔で、ほとんどの時間ここにいるよ?って言った時、この子は何を見ていたの?って本当に心配になった。」

と言われ、鳥肌が立ちまくったのを覚えています。


私は明らかに心霊現象が起きていたのに、母に言えずにいました。
ようやく言えたのは、住んで一ヶ月以上が過ぎてからでした。


物件の内見の時に、母の意見を蔑ろにした結果だったので言い出せずにいました。しかし、母を召喚せざるを得ない状況になったのは、悪夢にうなされ、完全に寝れなくなったことからでした。

悪夢の内容も全て一人暮らしの家で起きる心霊体験。
夢なのかも分からないほどでした。
決まって最後は、寝ている私の口を無理やり開け、女性らしき人の指を喉元まで突っ込まれる夢で飛び起きていました。


起きた瞬間トイレに駆け込み、嘔吐。
これが3日間も続き、目のクマもひどい上に真っ青。

3日目に出勤した時に
私と歳が近い娘がいて、私の初めての一人暮らしや学校勤務をいつも気にかけてくれていた先輩同僚に駐車場でばったり会いました。


顔を見てびっくりされ、問い詰められました。
事態を信じてもらえないかも…と思いながらも伝えると、


「信じるよ!こんなになってまで嘘つくわけないじゃん。私の娘も離れたところで一人暮らししているけど、こんなことになっているなら相談してほしいよ。母さんにすぐに連絡しなさい。全然、私のところに居候しても良いから!」


結局、目の前で電話をすることになり…(笑)
(今ではあの時の強引さに本当に感謝しています。)

母が緊急で来てくれることに!

と言っても、仕事や飛行機の関係もあり、
母が来るまでには、約10日ほど期間がありました。

先輩はその間も居候していいと言ってくれましたが、
母が来ると決まった瞬間から、心が落ち着いてきていたので、
本当にピンチになった時にお願いしますと伝えてその日も家に帰りました。


その日、嘘のように音もなく、大爆睡。
母の力すげえええ!と思っていたのですが、これは嵐の前の静けさでした。
母が来てくれるまでの、数日間の間にこれまでの比じゃないくらい恐ろしいことが起き始めます。


次か、その次では完結できるように頑張ります!
次回は31日に更新します。

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