ガンダムな日々
先日、仕事で偶然ガンダムのキャラクターに触れる機会があり、上司(私より二歳上)とガンダムの話題になった。
うろ覚えだけど、初代ガンダムの放送は私が小学生のころだったと思う。
アニメだったけれど、子供心に「格好いい!」と思わせる何かがあった。
当時の戦闘系のアニメといったら、いわゆる「正義の味方」と「悪者」が戦う
というわかりやすい図式のものが多かったと思う。
でもガンダムは簡単に2つには括れず、登場人物の感情が絡み合い、子供も観ることはできるけど、ちょっと大人な雰囲気のあるアニメだった。
そんなことを上司も熱く語っていた。
思えば兄が中学生になったとき再放送が始まり、録画機能なんて洒落たものも無かったので、兄は再放送観たさに学校から走って帰ってきていた。
とにかくガンダムには魅力があったのだ。
上司が言うには、その初代ガンダムの前段階の話「ガンダムオリジン」というのがあり、それもとても面白いとのこと。
俄然観たくなった。
調べたらHuluで観られるではないか。
娘がアニメ観たさにHuluに入ったものの、私が観たいものは特になかったのだが、ここへ来てHuluの出番がやってきた。
娘に「私、ガンダムを観る」と宣言。
娘は突然の私の決意に驚いていたが「よく聞くアニメだから私も観る」と。
まず初代ガンダムをみて、それからオリジンを観ようと決めた。
その夜から二人でガンダムを観始めると、必然的に母78歳も観ることになり、思いがけず女三代ガンダムな日々が始まった。
娘がハマるかどうか期待はしていなかったが、どうやら気に入った様子。
母も「今観てもいいねぇ」と言っている。
今観てもって…、昔は観てなかったじゃん、と心の中では突っ込んだけど。
そして観始めて知ったけど、全43話ある!
こんなに長かったとは。
初日は私も娘もノリノリで楽しんで観た。
しかし、ガンダム鑑賞を始めて数日たつと、娘は途中でスマホを触り始める。
スマホとガンダム、両方を見たり見なかったり…となってきた。
「ねぇ!ガンダム観てるの?頭に入ってるの?」と文句を言う私。
そんなとき娘は
「観てるよ!!」
と必ず言う。
そして、他のアニメも見たいと言い出す。
ぶっ続けでみたい私と、中だるみのある娘。
「もうお母さん先に観てもいい?」
「だめ!」
「じゃあ早く観てよ~」
この会話を繰り返す日々。
とうとう、娘が根負けして「もう、お母さん先に観ていいよ!」
大人げなくてもかまわない。
観たいものは観たい。
ぶっ続けで観たいのだ。
そしてとうとう先日観終わった。
感動した。
良く頑張ったね、ホワイトベースのみんな。
シャア、あなたの気持ちはわかるよ…。
大人になってから観ると、子供の頃とは違った感動があった。
さぁ、次はオリジンだ!
と意気込んだ私に娘から「待った」が入った。
「私が初代を観終わるまでオリジン観ないで。一緒にみるから」
なんだと!
じゃあ早く観てよ!とまた会話が振り出しに戻った。
私と娘の攻防戦は続く。
ところで、娘が生まれる前のアニメ、ガンダム。
懐かしのテレビの特集などで娘もなんとなく知っていたのだが。
観ている途中で「お母さん、あのシーンはいつ?」と聞かれた。
あのシーンとは…
1「親父にもぶたれたことないのに!」
2「アムロ行きまーす!」
1は比較的すぐ出てきた。
2がなかなか出てこない。やっと出てきたと思ったら、想像してたよりサラッとした言い方で肩透かしを食らった感じだった。
もっと魂の叫びのような「アムロ行きまーす!」がそのうち出てくるのか?と思いながら見続ける。
でも出てこない。
次の日上司に聞いてみた。
いつ張り切った「アムロ行きまーす」が聞けるのかと。
すると上司は
「あれは1回しか出てこないんだよ。1回出てきたのを芸人さんだか芸能人が、真似したか何かで、そこだけ大袈裟に言われてるんだよ」と言うではないか。
なんと言うことでしょう。
では、ゆうべ観たときの「アムロ行きまーす!」がその貴重な1回だったのか。
時代を超えて新たな事実を知ると共に、
ガンダムはやはり年月が経っても世代を問わず共通の話題になるのだなぁ…と
その偉大さを改めて感じた。
そして、私がガンダムを見終わって一週間。
娘はあと数話になった。
娘よ。追い付いてくれるのを待っているよ。
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